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ライドシェアの本家だったウーバーやリフトが伸び悩む中で、アジアのライドシェア大手の素早い動きが目立ちますね。
一つ一つのサービス展開では収益化が難しいので、スーパーアプリの台頭に向いている市場群を中心に存在感を発揮しているし、国々の人口と経済からくる根本的な成長幅は比較にならないほど伸びしろがある。20年後くらいには世界有数の企業になるのだろう。
自らをライドシェアではなくスーパーアプリと名乗る。
政府系ファンドテマセクら向け大型私募増資も伴うとの事にてしっかりした印象。シンガポールで配車もフードも普段使いしてますがこの会社の命運はウォレット含む消費者金融サービスの成否、そして主戦場は市場規模的にシンガポールではなくインドネシアでしょう。が競合ひしめく険しい戦い。
要は移動が必要なマッチング系は強い。
投資や保険とかは使う動機がない
スライド18~21が今後の見込み、2020~2023でGMV・収益はCAGR約+40%での成長見込み。昨年がコロナ影響もあったのと、このペースを維持できるかは不透明だが、他社に比べてビジネスが既に回っている状況なのは大きい。
興味深いのがスライド17で、ユーザーとなった年から、年数がたつごとにどれだけ利用金額が増えているか。こういうデータが出せるのがビジネスが既に回っている強みだし、予想の確度は高くなる。
そしてスライド26がセグメント単位の詳細。全セグメント伸びるが、注目をしたいのはFinancial Serviceについての内部消去の比率が減っていく点。先に配車・デリバリーで広がり、その決済として使う形で広がっていて現在も過半を占めている状態。でも今後は金融サービス単独での成長も狙っているということ。一方、2020年実績としてDeliveryとMobilityのGMVは8.7Bn USDで、Financial Serviceの内部消去は5.1Bn USD。一方2023年見込みは22.6Bn USDに対してFinancial Serviceの内部消去は7.7Bn USD。DeliveryとMobilityで増える分に対しての内部消去の増加が少ない(それ以上に外部単独売上が増えるのは分からなくもないが)のはなぜだろう?Grabをより使う中で、DeliveryとMobilityで金融サービスを使うのはもちろん、それ以外でも単独サービスとして決済が使われるというのが描いている未来なら、こういう数字にはならないと思う。
https://assets.grab.com/wp-content/uploads/media/ir/investor-presentation.pdf
2020年からSPAC上場が急増しています。2021年も米国株式市場ではSPACの勢いが止まらない。3月のSPAC上場数は108件で過去最大。買収相手を見つけるのが大変です。
勢いを増すGrabのSPAC上場、対するGojekがどう動くか気になります。
フードデリバリーもFood Pandaなどがいますが、アグレッシブなディスカウントで淘汰された競合も多く隙を一切見せていません。
ハーバードビジネススクール出の創業者アンソニータンはリーダーシップがあり一見ナイスガイに見えますが、やってることは容赦なく良い意味で強かです。
テスラのロボタクシーが唯一のリスクですが、東南アジアは優先度最下位ですので5-10年は大丈夫そうです。今は成長と競合淘汰に注力していますが、それが落ち着くと利益もついてくるはずです。
以前にも書きましたが、両社のCEOはHBSの同期(Class of 2011)で、在学中から友人でありライバルでもあったとのこと。今や東南アジア配車サービスの二強ですが、統合して米国上場するものとばかり思っていました。今回GrabはSPACとの合併を選択しましたが、今後の展開も目が離せません。