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題名は微妙(何とかならなかったのか…)ですが,スエズ運河の代替となりうるアジア・欧州間の貨物輸送ルートについてまとめた,中身はとても冷静かつ客観的に書かれた記事です.内容についても著しく北極海航路は,ヤマル半島のLNG輸送であればともかく,コンテナ輸送では経済性がほとんどないことが知られています.欧州との距離が短くなることで期待されがちな北極海航路ですが,砕氷性能を必要とすること,ロシアの先導船が必要になること(しかも通航が終わるまでエスコート費用が確定しないケースもある),スエズ周りより保険料も高くなることなどはきちんと指摘されるべきでしょう.シベリア鉄道や中国からの鉄道輸送はそれほどシェアが大きくなりそうにないです.

記事の結びにもありましたが,「北極海航路とシベリアランドブリッジでは、日本も主要なユーザーとして想定されています。日本としては、過度にコミットする必要はありませんが、メリットがあれば活用する余地はあるので、注視を続けるべきでしょう。」というのがとても正しい態度ではないかと思うのです.

ちなみに,北極海航路をめぐる学術的な議論については,以下の充実したサーベイがありますので興味のあるかたはご覧になるとよいと思います.
http://okhotsk-mombetsu.jp/okhsympo/_userdata/2021artc-Chathumi%20Ayanthi%20KAVIRATHNA.pdf
「スエズ運河に代わる輸送路を開拓しなければならない。とりわけ、北極海航路の開発が必須であることが、今回のスエズ運河の事故によって示された」。ロシアの北極国際協力特任大使の、スエズ運河座礁事故後のコメントです。北極海の氷が解けて航路としての実用性に関心が集まっていますが、通航できる季節が限られている、ロシア砕氷船のエスコートが必要など、いろいろハードルはあるようです。