工業化と異質、前例なき情報革命に向き合え 井上智洋氏
日本経済新聞
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記事より
情報革命の雇用への影響は。
「工業化の過程では先端技術を扱う所に労働者が流れていった。一方、今は中間所得層が従事する事務労働の雇用がどんどん減っている。失業した人がフェイスブックやグーグルに就職するかというと、そんなに行っていない。清掃員や介護士など肉体労働に行く。低所得層になり、どんどん賃金が低下する。昔からある職業に人が移ることを『労働移動の逆流』と呼んでいる」
「これは一時的な調整過程で、いずれ皆が平等に豊かになる時代にならないとも限らない。しかし、工業製品とソフトウェアや電子コンテンツは根本的に性質が違う。自動車は1台1台造るのに労働者を雇うなどの費用がかかるが、ソフトウエアはただでコピーできる。同じ経済法則で捉えるのは間違っている。破壊される雇用と生まれる雇用があるが、生まれた雇用に人々が移れたとしても豊かになれる保証がない。