中国当局、アリババに3000億円の罰金 独禁法違反で
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最近、中国政府との折り合いの悪さが指摘されているジャック・マー氏が創業したアリババ社ですので、何かしら政府との関連があるかのように見えましたが、記事を読む限りはそうではなく、罰金の根拠ははっきりしています。
記事には、「15年から市場での支配的な地位を乱用し、同社のライバルのEC企業と取引しないよう出店企業などに求めてきた」と書かれています。この行為によりアリババと取引したい出店企業はライバル企業に出店できなくなり、結果、EC市場上での競争が制限されるため、価格が高止まりし消費者に不利な市場が形成されたり、ライバルEC企業の活動を制限させる結果消費者に不利が生まれたりします。
罰金額については、EC企業という業態はメーカーよりも利幅が小さいと思われるなか、単年売上高比4%は、違反期間の6年で割ると約0.7%/年程度(売上が一定と仮定した場合)です。一般的に利幅の小さい小売り業に対して、売り上げに対する比率で罰金を科していますが、小さい金額ではないと思います。
Qualcommの売上高利益率は、24.3%(2020年9月)、アリババグループの経常利益率は15.2%(2019年3月)でした。
注目のコメント
罰金額が決定しました。
2015年のクアルコムは売上の8%という裁定で、アリババも同水準の罰金が科されても不思議ではありませんでしたが、4%の3000億円にとどまりました。独禁法調査に協力的だったことが大きいと推測されます。また、当初噂されていたアルゴリズムによる消費者差別的な価格付けについては見送られたことも大きいでしょう。
これですべて終わりかはまだわかりませんが、一山を超えた印象ではあります。アリババにとってはプラスとも取れるニュースですネットユーザーの声としては「良くやってくれた!」
「テンセントや美団はまだ...?」という声も多い模様
アリババはこれで一旦出尽くし感がある一方、足元で
寧ろテンセント経済圏はますます肥大化しつつある印象
・テンセントはベンチャー投資も2021年初から10件/週
ペースに急拡大中(2位のSequoiaの倍ペース)
・まるで直近で動きにくかったアリババの間隙を縫って
いるように見える(?)
世界的に整備が進んでいる独禁法の先端事例となるのか
国際社会からは単なる「出る杭叩き」の政治的ツールと
見做されてしまうものとなるか
(勿論、そうならないよう前者を期待します)
他プレイヤーへの対応含めて、引き続き注目しています
なお、これまで別記事にも書いていますが、中国ベンチャー周りでも本件をポジティブに捉えている論調が主流です
・VCや起業家からすると「新たな成長機会の出現」の
意味合いの方が大きい
・独禁法で叩かれるステージは遥か雲の上
https://newspicks.com/news/5680339/
本件をもって、「中国イノベーションが死に向かう」と言う論調をたまに目にしますが、これは「?」かと思います
(見たくない現実も含めて、しっかり見る方が日本のためにもなると思います)罰金額が決まりましたね。独禁法の規制が強まる中国。
これまでアリババやテンセントが多くの産業を寡占化してきましたが、バイトダンスを筆頭に新興巨大プレイヤーも生まれてきている。
その新興プレイヤーが風穴を開けた勢力転換や中国市場外のグローバルでの活躍に注目です。