J&Jワクチンでも血栓報告 EUが調査、アストラ製の新症例も
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様々なファクトが集まれば集まるほど、ファイザー・モデルナのmRNAベースワクチンの有効性の高さと副反応の少なさが際立つ。コロナは創薬におけるデータ処理の重要性が飛躍的に高まった事象として長く歴史に記憶されることになりそう
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アストラゼネカとJ&Jのワクチンは共通してウイルスベクターワクチンという技術を用いています。
実際のところ、用いているウイルスは少し異なりますが、両者に共通した副反応が見つかるとしたら、それは不自然なことではありません。
ここでのポイントは、比較的よく見られる血栓症のみならず、血栓症に加えて血小板減少も見られている点で、そういった病態がなんであれ稀であることから、そこに副反応の疑いが強くかかってくることになります。
いずれにせよ稀な事象であり、新型コロナウイルスの世界的な影響やワクチンの有効性の高さを考えれば、流通を阻むものにはならないと思いますが、米国ではmRNAワクチンも主要なワクチンとして普及していることから、たとえ稀な事例であっても今後のJ&Jワクチンの普及には影響を及ぼしそうです。アストラゼネカ社のワクチンによる血栓症の要因の一つとして、血小板第4因子(PF4)に対する免疫性血小板減少症をまれに発症させる可能性があると、4月9日のNEJMに報告されました。
▷Thrombotic Thrombocytopenia after ChAdOx1 nCov-19 Vaccination. N Engl J Med 2021.PMID: 33835769
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33835769/
機序からは、きわめて稀であろうことが予想されます。
実際には血栓症になるリスクは100万人中4人、死亡するリスクは100万人中1人とされています。
▷Oxford-AstraZeneca: One blood clot linked to Covid jab in Wales(BBCニュース)
https://www.bbc.com/news/uk-wales-56678499
もちろんイベントとしては大きなものであり、リスクとベネフィットを十分に確認する必要があるでしょう。死亡したのは18歳から79歳までで、そのうち3人は30歳未満だったとされています。
今回問題になっているJ&J社のワクチンは、アストラゼネカ社と同様にウイルスベクターワクチンです(先行したmRNAワクチンではありません)。現在は米国のみの使用ですが、すでに500万人に接種されています。
アストラゼネカ社のワクチンと同じような扱いになるかどうかは、今後の調査結果によると思われます。血栓症予防に効果のあるバファリン81㎎やバイアスピリンをあわせて服用するよう指導したらダメなんですかね?かつて抗リン脂質抗体症候群の治療のために長期間服用していましたが、血液サラサラになりましたよ(切り傷の出血がすぐに止まらないくらい…)。