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取締役会内で隠蔽を重ねた結果、経営危機を招くレベルになったのが、ウエスチングハウスの一件です。その結果、企業再生の過程で、代表に社外出身者を受けることになりましたが、もともと企業文化が「上意下達」ですから、おそらく他の社内取締役には反対の声をあげるような人はおらず(必要ならあげなければいけないことはその役割からすると自明です)、他の社外取締役は「合理的」な判断をしますので、ファンドの提案が望ましいものであれば、当然に承認するでしょう。
だだ、東芝は、日本の電力事業の黎明期より協力会社として国策を担い、発電事業のインフラに携わっている会社だけに、もしファンドに売却される場合でも、少なくとも原子力関連事業に関しては分社化し、外国資本比率が基準内の企業に売却せざるをえないと思います(他の一部の事業部門も該当するかもわかりません)。
また、もし国家が東芝を「特別扱い」するのであれば、水面下の調整が入り、秘密裏にホワイトナイトを立てると思われます(会社がファンドの提案を了承せず、結果、敵対的TOBをファンドが実施した場合は「対抗」しか手段がありません)。この場合のホワイトナイトは、国家の意向を汲む企業かつ業績が何とかなっている条件を満たすところとなりますので、極めて限られます。これから、ドラマ「ハゲタカ」のようなストーリーが展開されそうで、注目に値します。
現社長は、元CVCキャピタルの日本法人代表取締役会長としての利害関係者ですので、株主に対する透明性確保の観点から、買収検討のメンバーには入りません。記事にも書かれていますが、そのあたりの枠組みもしっかりとしています。
・でも、物言う株主が物を言い出したので、辛くなってきました。社長への信任も6割を切り、やりにくくてしょうがないです。
(ここからは妄想話です)
・なので、古巣のファンドを訪ねて、「うちを買収して、好きなようにやらせてよ」と頼みました。
・「よっしゃ、検討して提案しよう!」となりました。
外為法:重要インフラに関わる事業などを実施する日本企業を海外投資家が買収する際は外為法に基づく手続きと審査が必要になる
原子力発電、福島第一の廃炉、国防に関わる東芝を、もし英国のファンドが買収できたら、1)霞ヶ関承認出来レース、 2)外為法の形骸化証明、 3)一般株主不在の企業温存策、どれかには間違い無く当てはまるでしょうね。
企業買収における株主の地位について、この疑問が消えない。
売手である株主がこの売買について知らされるのは一体いつか?
株主共同利益(=会社のりえき)のために、取締役が株主を代理して、買手と交渉するのが建前だ。
バーリ・ミーンズの経営者支配は経済的な比喩であって、法律上は経営者支配は意味をなさない。事実上の事態の描写でしかない。
曖昧な株主の利益のために、取締役に曖昧な権限が付与されているというのが現状だ。それは、株式は株式市場での売買がデフォルトであり、株式市場外で売買されるのはあくまても例外的な事態と考えるのが、会社法の考え方なのかもしれない。
M&Aであろうかなかろうが、株式売買は、市場取引と同様な環境・ルールの下で実行されるべきなのだろう。
だから、東芝は、開示情報だけに基づく、競争入札をすべきだと思う。
特定の株主に、買手候補というだけで、一般株主には知らせていない情報を開示するのは、株主公平原則に反すると私は思う。