Neuralink、脳にチップを埋めたサルが「Pong」を思念でプレイする動画を公開
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シンプルに凄いですね。
ブレインテックに関しては明るくないのですが、この技術の延長上に、麻痺障がいがある方を救いたいという想いがあるみたいですね。
一時期、「BMI(ブレインマシンインターフェース)」という言葉を耳にしました。
脳と情報通信機器をつなぐ技術ですね。
▼脳の見える化「ブレインテック」は何ができる? 懸念点、国の取り組み・企業事例も
https://www.sbbit.jp/article/cont1/38093#head3
上記サイト内のカオスマップを見ていると私が聞きなれないだけで、様々な企業が参入している分野なのですね。
今後の成長は目が離せないですね。
▼まとめ
・イーロン・マスク氏が2016年に創業した米Neuralink
・神経記録・データ送信チップ「N1 Link」を開発している
・9歳のマカクザルが脳だけでお気に入りのゲーム「Pong」をプレイ
・約6週間前にN1 Linkを埋め込んだ
・麻痺のある人がスマホを利用したり、歩けるようになったりする
さらに勉強してみます。
注目のコメント
この記事は多くの方々に衝撃を与えた事と思いますが、それは私たち脳神経科学者にとっても同様です。世界中の脳神経科学者が、Neuralinkの一挙一動に、興奮と戦慄を感じている状態です。おそらく冗談を抜いて、数年のうちに臨床実験を終え脊髄損傷患者への実装を終え、10〜20年以内には健常人もこのシステムを脳に搭載する未来がやってくることと思います。
では、何故、このビデオが衝撃的なのでしょうか?それは、「システム実装までの速度」と「明確なビジョンに基づく適切なチーム構成」が端々から感じられるからです。
ビデオにある通り、サルは1024チャネルの「N1 Link」と彼らが呼ぶ、完全ワイヤレス・Bluetoothでのデータ伝送のシステムを用いて、自分の思考のみによってゲームをプレイできるようになっています。ブレインマシンインターフェイスの専門家である、Paul Nuyujukian教授の解説が極めてわかりやすいのでリンクを下に貼っておきますが、彼らがこの実験を行なったのが、2021年4月2日。そこから一週間程度で、このプレスリリースに至っています。
2019年7月のNeuralink Launch Eventで、初期段階のビジョンを明確化し、チームをリクルートしていた時から、たった1年半でここまで来たことが納得できるスピード感です。
Nuyujukian教授は、このデバイスそのものが、電力効率・データ転送の面から見ても極めて優れたものである事を解説してくれています。優秀な神経科学者・脳外科医・エンジニア・プログラマーを抱えたNeuralinkが、「大規模神経活動の記録と、デコーディング」という現状の明確なゴールに向かって、爆発的な資金力を持って最短距離を走っている様子がわかります。
彼らのビジョンがどこまで拡張されるのか分かりませんが、1024チャネルのチップを運動野だけでなく、脳の皮質各所に埋めていった結果、どこまで脳機能が拡張できるのかにとても興味があります。
Neuralink Launch Event
https://www.youtube.com/watch?v=r-vbh3t7WVI
Paul Nuyujukian教授による解説
https://www.youtube.com/watch?v=rzNOuJIzk2E&t=1s運動をコントロールする脳の運動野は、頭頂部らへんの皮質にあり、1024個の電極のチップを左脳と右脳に2つ埋め込んで、サルのゲームプレイの思考を読み取ったみたいですね。
先月は、Facebookが開発中の「人の考えを読む腕時計型デバイス」のデモ動画が公開されたり、ブレインテックがホットになりつつあります。
https://gigazine.net/news/20210319-facebook-mind-reading-technology/
日本も、脳のサイエンス領域では世界をリードしているので、テクノロジー領域でも頑張りたいところです。技術自体に善悪はなく、こうした技術が麻痺のある患者さんの生活を助ける宝になるのか、権力者が人をコントロールする悪魔の武器になるのかは、人間が技術の活用に対する倫理や哲学をどう持つかにかかっている。その面の進化も急がねば。