年内の物価上昇、持続しない公算 想定外なら対応へ=FRB議長
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AP通信では、パウエル氏は「私たちは同じ経済に戻る訳ではないことを忘れてはいけない。異なる経済(different)になっていくだろう」と話しています。
パウエル氏の言う「異なる経済」とはどう言うものなのか、明言されていませんが、前後の文脈では、
いくつかの業種では雇用が少なくなり多くのアメリカ人が仕事を見つけるのに苦労すると言う見通しや、
雇用者側も労働者をテクノロジーで置き換えることもあると話しています。
いわゆるK字型のようなことかもしれません。
(https://apnews.com/article/jerome-powell-coronavirus-pandemic-economy-5e193e836df3baaec7df6c44396040bd)
パウエル氏のビジョンも、FRBの新しい議長像なのかもしれません。
少し話はずれますが、パウエル氏率いるFRBは、経済格差の是正と言う目標も掲げていて、黒人の失業率や低賃金労働者の賃金上昇率なども重視する統計リスト「ダッシュボード」に入っています。
その理念はバイデン 政権とも通じるもので素晴らしいものですが、それによって緩和のアクセルを踏み込みすぎるのではと言う懸念の声も上がっています。
(ロイター・コラム:パウエル議長が目指す人種格差是正、心配は景気の過熱)
https://jp.reuters.com/article/usa-fed-idJPKBN2BA00Q
注目のコメント
トランプ大統領時代の巨額のコロナ対策にバイデン大領領が打ち出した1.9兆ドルの巨額の対策等を加えると、米国の追加的な財政支出はGDPの40%にものぼる巨額なもので、FRBも大規模な資金供給で歩調を合わせています。いわば、リフレとMMTを併せて地で行くようなもので、これで2%のインフレ目標が達成されるなら政策の理論的な正しさが証明されますが、これだけやってなお「年内の物価上昇、持続しない公算」ということなら、経済の構造そのものが変わって金融政策で物価を上げるのは難しい状況が生まれている、つまり2%という物価目標の在り方そのものを問い直す必要が出て来るんじゃないのかな (・・?
2%のインフレ目標を一時的に超えても緩和姿勢を続けることを表明しているFRBですが「インフレ率、とりわけインフレ期待がわれわれの予想に反し、不快とされる水準に持続的かつ大幅に上昇するようであれば、FRBは対応する」という事態、つまりインフレ期待が高まり過ぎてFRBが国債等の購入規模を縮小して金利上昇を容認し、MMTが示唆するように政府が増税でインフレ抑制に動かざるを得ないようなことになったら、景気に強い下押し圧力が掛かります。意図するとしないとにかかわらず、リフレとMMTを巡る壮大な社会実験が進んでいるように感じます。(・・;