コロナ患者、世界初の生体肺移植 家族が提供、京大病院
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肺移植には脳死状態の方の肺を移植する「脳死肺移植」と、元気な方(多くは家族や近親者)から肺の一部の提供を受けて行う「生体肺移植」があります。コロナ罹患後の肺に脳死肺移植は世界で数十例の報告がありますが、生体肺移植ははじめてとのことです。
コロナが重症化すると急性呼吸窮迫症候群(ARDS)と呼ばれる状態にしばしば陥り、肺の毛細血管から水が漏れ出て肺が水浸しになります。回復してくる過程で肺が線維化してしまい、ウイルスがいなくなった後も肺の機能が著しく低下するため肺移植が検討されます。
昨年9月までに行われた12例の脳死肺移植の報告でも、コロナに感染してから肺移植を受けるまでは平均79日となっており、長期間回復が見込めない場合の最後の手段として考えられています。
https://www.thelancet.com/journals/lanres/article/PIIS2213-2600(21)00077-1/fulltext夫と息子の肺を一部生体移植…
そして全員経過良好…
すごすぎる。
条件はあれど生体移植がポピュラーになれば助かる命も増えるなと希望がもてるニュースでした。
ちなみに日本はアメリカや韓国に比べて圧倒的に移植が少ないです。2019年の日本の脳死肝移植は88例、生体肝移植は307例で、どちらも韓国(前者369例、後者1146例)の約4分の1程度です。
平均待機年数が1~2年で、腎臓に関しては約14年…。
移植が今より盛んになることを願います。記事に詳しく書かれていますが、夫と息子の計2名から生体肺の一部を切り取って移植されたとのことです。日本では脳死からの提供者が少なく、脳死移植は期待できなかったのでしょう。技術力にも驚きますが、決断された家族の方も勇気が必要だったことでしょう。全員の回復をお祈り申し上げます。
生体肺移植とは
「2人の健康なご家族から、それぞれ肺の一部分をご提供いただいて移植する方法です。レシピエント(移植を受ける方)の両肺を取り出し、2人の健康なドナー(提供者)の右または左肺の一部を移植します。いただいた肺の一部分ずつの合計が、レシピエントの肺のおおよそ50%以上になることがひとつの目安」
とのことです。(日本移植学会のウエブサイトをもとに追記)
新型コロナ感染症は、当初より肺胞や血管内皮に石灰化を起こすことが報告されていました。このような病変が肺や腎臓、心血管系に起こった場合、一般的に(新型コロナウイルス感染症の後遺症では未検証ですが)、長期的に寿命に影響を及ぼしますので、個人的にはこれが怖いと思っており、できるだけ感染のリスクを下げるような行動をとりたいと思っています。