米経済は目標に程遠く、支援策「当面」必要=FOMC議事要旨
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FRBは新型コロナウイルスによるリスクが根強く、先行きは「極めて不確実」という認識。
いっぽう、ブラックロックは、「緊急事態でないにもかかわらず、FRBは緊急時と同様のスタンスを維持しているが、改善の度合いを認めようとしない姿勢はますます困難になっているようにしか見えない」とみています。
このギャップは大きい。緊急事態を過ぎたのであれば、バイデン政権は追加の財政投融資が不要になるはずなのですが。金融業界と実体経済には相当大きな開きがあるのでしょう。既に配信したレポートでも触れましたが、FOMCメンバーは、長期金利の上昇が主として景気回復と国債増発の見通しによると評価し、合理性を事実上追認しています。
それも当然で、執行部による報告にもFOMCメンバーによる議論にも、景気や物価に関する慎重意見がほとんど見られず、政策目標まで相応の距離があることだけが金融緩和を正当化している構図です。
こうなってしまうと、この先は景気と市場が先に走っていって、FRBの対応が遅れることが想定されます。市場をコントロールできない点でフォワードガイダンスの意味は失われますが、景気は最早それを必要としないという奇妙な状況が生ずる訳です。