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iPS細胞は体の細胞を受精卵に近い状態に「初期化」した細胞ですが、実は従来のヒトiPS細胞は、マウスのそれよりも少し発生分化が進んだ状態でした。今回の研究で使われたiPS細胞は、従来のiPS細胞をさらに「初期化」させたものです。つまり受精卵により近い状態にしてみたら、胎盤に分化させることに成功したということです。

研究チームは、「ナイーブ型」と呼ばれるこのiPS細胞は、従来のiPS細胞よりも品質が安定し、胎盤以外のさまざまな細胞にもより分化させやすい可能性があるとみているそう。もしそうであれば、再生医療にもこちらのナイーブ型iPS細胞の方が適している、ということになるかもしれません。

この発表で思い出したのは、2014年に発表された幻の多能性幹細胞、「STAP細胞」でした。
STAP細胞は、iPS細胞には分化できない胎盤にも分化できる、だからiPS細胞よりもさらに受精卵に近く、優れた多能性幹細胞だ、というのが、STAP論文(後に撤回)の主張だったのです。

当時はまだ存在しなかった、ナイーブ型iPS細胞が今はあり、実際に胎盤にも分化することが確かめられた。
サイエンスは確実に進んでいるんだなあという感慨を覚えた発表でした。
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哺乳類の発生現象の中で、着床前後のイベントについては、まだまだ謎が多い。本研究はヒトiPS細胞から胎盤を作製できたという論文だが、2017年には東北大学の岡江らが胎盤より「ヒト胎盤幹細胞(TS細胞)」をすでに樹立している。

https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2017/12/press20171215-01.html

この分野の研究がさらに進展することを臨みたい。
妊娠関連は倫理的にも研究が難しい分野です。
この進歩により、周産期関連の病態解明が進むことを期待します。
科学による人の解剖が進み、進む毎に解決のヒントが生まれ、また新たなる謎が生まれる。科学者はこの謎の解明に魅せられ、新たに生まれる謎にまた挑むわけですね。科学者の技術もさることながら絶えない探究心に敬服します。