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「SAF」はカーボンニュートラルな輸送の救世主となるか

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博報堂が2019年に発表した「生活者のサステナブル購買行動調査」では、「環境・社会に悪影響を与える商品・企業」に対する不買や「環境・社会に配慮した商品」に対する購入意向が約7~8割にのぼりました。

記事内にもある通り、今後は航空会社もCO2排出量やSAFを導入しているか、等が消費者に選ばれるためのひとつの判断基準となる可能性が高いです。

>よりCO2排出量が少ないフライトを選べる航空会社選択サイトもあります。『SAFを使っている便に乗りたい』と消費者から積極的に選ばれるような時代が来るかもしれません」

博報堂「生活者のサステナブル購買行動調査」結果発表
https://www.hakuhodo.co.jp/news/newsrelease/74993/
航空業界の脱炭素化の手段として、電化も検討されていますが(最近エアバスは水素に力を入れている)、国際民間航空機関(ICAO)の方針によれば、航空機(特に長距離フライト用)にとって原動機の信頼性担保の重要性は自動車の比ではなく、過去のデータの蓄積のあるジェットエンジンに勝る代替手段はないという考えから、既存のジェットエンジンにそのまま使えるカーボンニュートラル燃料、すなわちSAF(サステナブルアビエーションフュエル)こそが本命ということです。そのまま入れるだけなので、「ドロップイン戦略」などと呼ばれることもあります。

SAFとして使えるものには色々候補がありますが、主に念頭ににあるのはバイオ燃料です。結局炭化水素なので、燃焼時に二酸化炭素は排出されますが、作物生産時に空気中から吸収しているという意味で、相殺されているとみなされます。

この記事のタイトルにも入っていて、最近よく使われる「カーボンニュートラル」という言葉は、元々このようなバイオ燃料の特徴を指すために使われていた言葉ですが、最近ではこうした個別の技術の評価ではなく、国単位で実質的な排出量をゼロにする(つまり排出した分をどこかでキャンセルさせる)事を指す用語として使われ方が拡張されています。

(この様に拡張すると、排出する主体と吸収・固定する主体が一致していないといけないという条件が課され、排出責任の割り付け、カーボンプライシングを課す主体との関係など、結構難しい問題を孕んでいます)

一方、最近パーム油などのバイオ燃料生産で問題視されるように、バイオ燃料生産の拡大は、土地の利用転換を伴う可能性が高いため、森林の伐採や、元々土壌に含まれていた炭素を大気中に放出する事態を伴っていることも多いです。

従って、ICAOではSAFとして認定される基準として2008年以降土地転換されていないバイオ燃料で、一定の削減効果が認められる原料とプロセスを経た燃料のみをSAFとして認証することになっています。

普通のバイオ燃料自体に逆風がある中、供給を増やそうとすると、ユーグレナ社がASTM認証を取った藻から作る燃料に期待がかかったりするわけですが・・・。
航空業界の脱炭素対策として画期的だと思います。
こういった動きがある一方で、日本では「SDGs」という言葉だけがやたらと広がっていて、一般市民の間では問題意識がまだまだ低いし当事者意識をもたせられない。コミュニケーションに問題があり、企業の自己満足だという感がぬぐえない。海外ではより頻繁に使うのはSustainabilityやClimate change。より直接的、直感的でわかりやすい。製造業のように脱炭素対策など、取り組みできるところはアクションしやすいが、金融業などは何ができるのか、何をしなくてはならないのか、抽象的な言葉でくるむことで、課題がぼけてしまう危険性がある。