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臨床試験は、米国国立衛生研究所(NIH)の米国国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)が出資した「CoVIg-19 Plasma Alliance」が国際共同臨床試験として実施していました。武田薬品はこの臨床試験に試験薬を提供していたメンバーの1社です。他には、米CSL Behring社、米Emergent Biosolutions社、スペインGrifols社が提供していました。(武田薬品としては、グローバル向けには買収した旧シャイアー社が、また日本市場向けには関連会社の日本製薬が血漿分画製剤の製造販売・研究開発を行っています)

ここで使用された血漿分画製剤とは、「抗コロナウイルス高度免疫グロブリン製剤」を指しています。「コロナ」に関わらず、重症感染症では、以前より、「免疫グロブリン」という医薬品が使用されていました。この医薬品は、ヒトの血液から抗体部分を取り出し、精製したものです。

グロブリンには、いろいろな種類の抗体が入っていますが、「抗コロナウイルス高度免疫・・・」とは、抗コロナウイルスの抗体が入っているはずの「感染者」から血液の提供を受け、その血液を精製、「新型コロナウイルス」に対する中和抗体を測定したうえで、高力価であることを確認し、使われていたということだと思います。生産のネックが、「血液の入手」であることはあらかじめわかっていました。

評価項目として使われたのは、「対象を重篤化リスクのある成人のCOVID-19入院患者として、抗コロナウイルス高度免疫グロブリン製剤を、レムデシビル(抗ウイルス薬)を含む標準治療に追加投与した際の、疾患進行のリスク低減」であり、対照群として「レムデシビルを含む標準治療のみ群」でしたが、両群での差が出なかった模様です。

重症の患者を対象にしていますので、その重篤化をもはや抑えられることが出来なかったか、レムデシビルの効果などの他の要因が混在したために差が出なかったことが考えられますが、少なくとも両群で統計的に有意な差が出なかったことで、「有効性なし」になり、当該医薬品の試験は中止するという判断になったようです。(重症患者やすでに治療薬が存在する疾患に対して、臨床試験薬剤のみを使っての臨床試験を行うことは倫理的にできません。)
新型コロナは国内の創薬部門が米国を筆頭とする海外勢に大きく水をあけれていることをクリアにしてしまった。予算規模もあるけどmRNAベースのワクチン開発に代表されるようにデータ処理のウェイトが高まっている中で挽回することはほぼ不可能では
日本最大手の製薬会社。消化器系疾患、希少疾患、血漿分画製剤、オンコロジー(がん)、ニューロサイエンス(神経性審疾患)を中心領域とした研究開発を行う。2019年にShireを買収。
時価総額
6.65 兆円

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