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東芝とエフィッシモの関係については、下記の東洋経済さんの記事が参考になります。
エフィッシモは村上ファンドの失敗を反面教師とし、短期的な利益ではなく、東芝の中長期的な企業価値の向上を図るためにエンゲージメントを行っていると主張しているようですが、エフィッシモの真意や戦略は実際にどうなのか、東芝側がどう受け取っているのか。
https://toyokeizai.net/articles/-/360271
東芝社長の車谷氏は買収提案をする今回買収提案をするとされているCVCキャピタル・パートナーズの日本法人会長を勤めていたので、そのコネクションや車谷氏側の絵図もあると思います。
今後の展開が気になります。
確かに東芝は原発などエネルギー政策、国防の関係から、財務省そう簡単に承認するとは思えないですが、株主構成から言えば、東芝は既に「外資」です。
また、ここ最近のハーバード基金への圧力や信託の議決権不備など、事業以外の不手際も多く、投資家からの不振感が蔓延しているのも事実です。
今は、あの頃とは違い、政治も官僚も大企業も、コロナもオリンピックも、既に旧体制では令和の時代では生きていけないことを考えれば、いっそのこと、東芝クラスを非公開化して、ベンチャーの社長に任せた方が良い気もします。仮に外資の代わりINCJを入れたところで、あまり変わらないでしょう。
東芝は日本の大企業の壮大な「叙事詩」となりつつあります。
引用
非公開化の提案を受けて、東芝の取締役会は提案が株主の利益にかなうものか検討を始める。手法や価格が妥当か交渉し、提案への賛否を表明する。原子力事業を持つ東芝は2020年に施行した改正外為法で重点審査の対象となっており、財務省が事前審査することになる。
機密技術などの所有があるがゆえに買収できるか否かは別として、東芝を非公開化して本当の意味でバリューアップしてエグジットできると確信する株主の登場を期待したい。
外資規制の論点もありますが、前回の大型資金調達を経て既にファンド中心の構成になっており、話題になってるフジテレビではないですが、「あの時も既に」ということになりそう。放送と違って明文的な外資規制はないんでしょうが、半導体や液晶などに対するこれまでの議論を見ると無条件で、ということはなそうです
https://newspicks.com/news/5733623/?utm_campaign=np_urlshare&utm_source=newspicks&invoker=np_urlshare_uid148766&utm_medium=urlshare
東芝は三菱重工ほどではないが防衛事業を有するし、それ以外にも国家基幹産業系を持っている。また、先日はキオクシア(スピンオフしたが持分法適用で、4割保有)についてMicronやWDが買収する可能性も報じられた。半導体は米中貿易摩擦の論点から始まり、NANDはそこまでではないもののグローバル需給のひっ迫が多い領域。
『TOBが成立し、物言う株主が東芝株を手放すと、株主は1社になる。経営の意思決定の仕組みは単純化される。』
仕組みは単純化されるが、それがよいのかはまた別の話。ステークホルダーは多様で、だからこそ相互牽制が効く側面もある。それがスピードを殺すこともあれば、暴走を防ぐこともある。
ガバナンスは、すべて性善説で済むなら極論いらない。だけど、社外取締役や株主など多様な視点が入ることで、リスクやより良い方策がないかを検討するという側面がある。検討をして実行しない場合はその時間は無駄になるが、一方で検討をされずに間違えた道に行っていた時のコストやリスクが顕在化したときの自社や社会へのマイナス影響の確率を下げられる。だから規模が大きい会社ほどガバナンスも求められる。
ガバナンスも多様性が重要なとき、絞り込んででも厳しい主体がいるほうが良いとき、色々ある。ガバナンスの仕組みが単純であればよいというほど、世の中は単純ではないと思っている。
PS
この問題は基本的にキオクシア株換金後の投資戦略につきます。
資産(とりわけ現金等)の有効活用ができていない、期待されない企業は同じ道をたどるので、対岸の火事では済まされないと思います。
英投資ファンドのCVCキャピタル・パートナーズなどが東芝に買収提案する、という日本時間深夜2時の日経新聞の特報でした。
東芝の臨時総会、「20年決議を再調査」の株主提案可決(日本経済新聞、3月18日)
https://newspicks.com/news/5695671
そもそもの趣旨は、原子力や武器製造など重要技術を持つ企業について、安全保障上問題のある外資からの買収に制限をかける狙いだったので、まさにここでお上が買収を認めるかどうかが大きな論点になる事案になりそうです。