取締役会アジェンダを見直せば経営力が向上する訳
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同僚のnoteではありますが、まさに本質をついていると思います。
取締役会を機能させることは、日本のコーポレート・ガバナンスの強化の本丸だと思っていますが、その一丁目一番地が「アジェンダをどう作るか」にある、というのは全くもって同意です。
これまで、上場企業・スタートアップなどいろいろな取締役会を見てきましたが、一番多いのは「執行ドリブン」と「ルールドリブン」の混成型であるように思います。
事務局が、「この規定の改定は役会決議が必要なのであげておきますね!」とボトムアップであげてきた議題と、定例的な事業報告が淡々となされる会。
本来「将来のリスクと機会について」話し合いたいところ、実質的にそういう時間がほぼとられていない、というケースを少なからず見た事があります。
端的にいうと、取締役会は未来志向(将来のリスクをどう抑え、その一方で機会をどう捉えるか)をもたなければならないところ、過去志向(過去やってきた成果がどうだったか)により過ぎている、というのが実情だと思います。
(※ここで「コーポレート・ガバナンスの強化」と言っているのは、単に執行に対する監督の観点のみならず、企業価値向上に向けて取締役がリスクを取れるようしっかりと仕向ける、という攻めの要素も含めて使っています)
前職では、取締役会事務局(コーポレート・セクレタリー)的な役割を担っていましたが、そこにおいて、
・取締役会で議論すべきアジェンダの洗い出しと年間計画案策定
・決議事項について、point of no returnになる前に議論の俎上にあげて審議できるよう、事前の吸い上げの徹底
を行なった結果、取締役会が著しく活性化しました。
機関設計やボードメンバーの変更といった大掛かりなことをせずとも、役員・事務局の意識と行動を変えることで大きな変化につながるので、上記は第一歩としてとてもお薦めです。
前職では取締役会事務局(コーポレート・セクレタリー)的な役割を担っていましたが、
・アジェンダの年間計画を立て、会社として重要だと考えていることを棚卸ししたこと
・決議事項はすでに実質的な議論が終わった段階で挙げるのではなく、point of no returnのずっと前の段階で積極的に審議事項として議論の俎上に挙げる
注目のコメント
取締役会が何のために存在し 何をすべきか?を表すのは そこで議論される案件とその議論の質だと言える。
各審議伺い書は それを通すために準備されるが、そこに至る理由や どのような議論を経て上程されたのかを理解したうえで 最終決議に臨みたい。
中長期の経営戦略を議論し企業価値を上げるための取締役であるべきなのだが この分野に時間を十分とっている企業は少数。 何に時間をかけたいのかは取締役会で議論すべきことで、誰かがなんとなく決めるものではないはず。 ぜひ真剣に考えていきたい。取締役会のアジェンダセッティング、とても重要。社外取締役として最も気にしていることの一つ。会社で最も重要な意思決定と言ったら、会社の目指すべきところを決めること。すなわち、戦略議論を徹底的にしなければ意味が無い。マイクロマネジメント的な雑事の数々や、長々しい過去の実績報告をしている暇は、取締役会には、無い。
取締役会のアジェンダ設定は経営そのものだ、と考えています。それぐらい重要なことが、事務的に決まってしまっているケースも目にしたり耳にすることが多いのが実態です。
取締役会のアジェンダ設定を工夫している企業も多数あります。そういうTipsこそが本来共有されるべき知見だと感じます。またアジェンダ設定というシンプルなものを見直すことこそが、実は日本企業の経営力強化やガバナンス強化につながる、近道だと考えています。