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そもそも成層圏と対流圏において気温が最も低くなっているのは、熱帯の雲の頂点付近です。地球全体の気温分布を緯度ごとに平均してみると、ちょうど赤道付近の高度20km付近が-80℃くらいでもっとも冷たい場所となっています。これは、北極や南極では対流圏の高さが低いために上空には成層圏がやってきていて、意外と気温が下がりにくいことと、逆に赤道付近では活発な対流活動により気温が一定の割合で下がり続けるため、その雲の頂点付近では—100℃近い低温を出すこともままあります(台風の発達過程では—90℃くらいはざらにあります)。それでも今回の-111℃はものすごい発達といえ、なかなか記録されるものではなさそうです。
ただし、これを今までにない巨大な積乱雲が発生したととらえるのは早とちりかもしれません。というのは、人工衛星のセンサーの精度や解像度、観測頻度がここまで高くなってきたのはこの10年ほどのことで、それ以前にも似たような雲があったのにそれを見ていなかっただけかもしれないからです。地球温暖化により本当に雲の発達(オーバーシュート)が以前よりも高い水準になっているのかどうかということは、一部の突出したデータを見るよりも、全体としての平均値や分散などに注目したほうが良いかもしれません。