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タブーに切り込め!ここがおかしい「日本の保険」
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航空貨物事業は、特にここ15年ほどを振り返ると、リーマンショック前の資源価格の上昇、そしてリーマンショックそのものによる貨物需要の大幅減により辛い目にあってきたという歴史があります。韓国や台湾は電子部品の一大生産地で、これを北米のメーカーに輸出する流れがあったために、現在も大韓航空や中華航空は貨物事業を大きな柱としていますが、日本では特にJALの経営破綻と再建の過程で旧式の747を使った貨物機の整理もあり、航空貨物は儲からないというイメージが定着していました。
ANAやNCAなどでも、リーマンショックを乗り切ったあともアジアと北米間の貨物便は北米やアジアの会社も入り乱れて競争が激しかったこともあり、成長はあったものの利益はあまり上がらず、特にNCAは整備に関するトラブルもあり決算は赤字ベースで親会社の日本郵船の決算にまで影響を与えていました。

コロナになって一変したのは、とにかく旅客便がほとんどゼロとなり、その床下を使った貨物輸送もほぼできなくなったこと、そして貨物便についても乗組員の検疫の問題があり旅客便の穴を埋めるほどには供給が追い付いていないこと、そしてマスクや消毒液などの医療用品やワクチンなどの輸送に迫られてさらに輸送単価が高くなっていることが挙げられます。
特に2020年コロナが拡大した当初は各国とも検疫のルールややり方が手探りで、国際的な物流が止まってしまう状況が連想されるほど供給が絞られてしまいました。今は各方面でやり方がそろってきたこともあり、需要に応じた貨物便の運航ということもできるようになりつつあります。

いよいよ航空会社はアフターコロナを見通し始めていますが、旅客需要は急激に回復しないのではないかという見方が広がっており、すると必然的に貨物優位の状態がもうしばらく続くことになります。本格的な回復のあと、果たして航空貨物が以前のように過当競争になるのかどうかがポイントとなるでしょう。ANAが顧客ニーズに応じて臨機に貨物便を運航する、というのはそうした過当競争に陥っても勝ち残れるやり方を模索しているようにも思われます。
国際・国内旅客、貨物を対象とする航空運送事業者。フルサービスキャリア事業を強化するとともに、新たな収益源の創造・育成にも挑戦。グローバルアライアンス「ワンワールド」に加盟。
時価総額
1.27 兆円

業績

フルサービスキャリアである全日本空輸を中心とする持株会社。傘下にLCCのピーチを有する。マルチブランド最適化および貨物事業の拡大によるエアライン事業の利益最大化などに注力。
時価総額
1.55 兆円

業績