中国が「大き過ぎてつぶせない」銀行の資本要件強化案-リスク抑制
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SIB(システミックに重要な銀行)への上乗せ規制である「自己資本比率上乗せ」および「破綻処理のためのLiing Will作成」には、グローバルに実施されるG-SIB規制と、各国に多くが委ねられるD-SIB規制がありますが、これは後者に属するものですね。
以前、SIB規制を決めたバーゼル委およびFSBの部会で中国代表の方々ともご一緒しましたが、積極的に制度構築に貢献され、また、制度の細部まで熟知しておられたのが印象的でした。
G-SIB規制導入時、G-SIB(全世界で30行弱)に中国の銀行は含まれていませんでしたが、現在では4行を占めるに至っています。さらにD-SIB規制も設計通りに導入するとなると、実は、リーマンショック後のG20の思想に最も倣って規制を整備しているのは中国ともいえるように感じます。
中国当局からすれば、銀行部門の自己資本の重要性を意識し、その強化を図ると同時に、過度のリスクテイクにも歯止めをかけようということで、なかなか入念に考えられているとの印象を持ちました。
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バブルがはじけるぞと言われ続けてもはじけない中国。不動産投資の加熱を抑えたり、いろいろしてますがこの策は正しいのではないでしょうか。転ばぬ先の杖。ただ、実態がどうなのか気にはなります『もう弾けかけてる銀行がいるから直前だけど施策を公開した 』のか安定期にきちんとリスクを考える余裕があるのか。おそらく潰したくても潰せないというのは、中銀、工商、建設、農業あたりの大銀行だと思いますが。
中国の銀行がこれからグローバルでさらに存在感を増すことを目標としている以上、いつかはやらねばならないこと。着々と進めているように見えます。