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スエズ運河での座礁事故,再開通した後も船舶の混雑がしばらくはあり,これまで詰まっていた船が欧州・北米東岸側の港に押し寄せることで港湾混雑や荷役の停滞が発生します.その結果,コンテナの回転(受け取りや返送,回送)が遅くなります.

さらにはこれがアジアにコンテナが戻ってこない,ということでアジアからの輸出にも影響をきたすだろう,ということで物流が遅くなります.

コンテナで運ばれているものには,必需品が多いため,一定期間で見ると輸送される物量が減ることは想定しづらいです.しかし,このような事故が起こると到着・発送が遅れ,どうしても混乱が生じます.そのため,スエズの件が与える影響は短期的にはあるものと思います.

しかしながら,コロナ禍におけるコンテナ輸送の動向でも見られた通り,取引物量が急激に減る事態は想定しづらいです.今回の件,コンテナ輸送に関連する一番大きな問題になるのはは港湾や船舶の容量の問題で「一時的に需要のタイミングがゆがむ」ことです.

現在の運賃市況は,ほかの要因もあるため維持不可能と言われています(私もそう考えています).今後は少しずつ「平常時」に戻っていくことになるでしょう.ただ,今回の一件で戻るスピードは遅くなるものと推察されます.

もちろん,「平常時」とは2019年以前のものではありません.コンテナ船やコンテナも高くなっていますので,コンテナサービスの原価も高くなっています.

2020年からはSOx規制も入っていますし,今後はLNG焚きや水素,アンモニアなどの新しい船への投資が必要になります.環境対応が重要になっている現在,かつての運賃水準では間違いなく海運会社の経営に問題をきたします.

最後に2010年代,コンテナ海運会社が市況悪化のため苦しんだことが,コンテナ船社のアライアンス再編や大規模なM&Aの契機になった点は指摘しておきたいと思います.
今回のことで、コンテナ船の大型化がリスクになっている事を知りました。

国際的な物流のサプライチェーンが切れると想定以上の影響が出ることになります。

本当に必要な国際物流とそうでないものを分けて考える必要がありそうです。
ただ単にコストが安いものを長距離の移動を伴う輸出入するだけでなく、近距離や国内でまかなえるようにするなど考え方を変えることも必要だと思います。