新着Pick
627Picks
Pick に失敗しました

人気 Picker
著者の榎本です。本書はいわゆる音楽業界本ではありません。サブスクが音楽の世界に誕生したのが今から二十年近く前であったように、音楽産業で起きたことは世界の雛形になることが多い。Sonyの盛田昭夫や大賀典雄、あるいAppleのスティーブ・ジョブズのように、音楽産業を推し進めた企業家たちは、いわば人類の未来を創造していました。
このインタビューでは、ポストサブスクの具体例に米中のケースを挙げましたが、ほんの一例に過ぎず、本書ではポストサブスクのフレームワークを事例を交えながら提示しました。音楽産業の歴史を踏まえるならば、それは或いは、人類の未来に近しいかもしれません。しかし本書を七年かけて書いた本意は、答えを手っ取り早く知ろうする世間で大多数の読者層にではなく、自ら答えを創造するヒントを探している少数派の助けになることです。この記事を機に拙著がそうした方に一人でも多く会えるのなら、作家としてこれ以上の幸せはないでしょう。
音楽は実は様々なものに支えられなくては生きられないものなのかもしれません。音楽ソフト市場は豆腐市場より、小さいのです。CD1枚の価格の高さから、サブスクだけではこれまでの小さな音楽市場の維持さえ難しいので、やはり今も+αが必要と榎本氏も語っています。

かつて、音楽家は宮廷や貴族、教会などに雇われ、雇い主の意向に沿って作曲をすることで生計を立てていました。セレブたちがいて、成り立ったわけです。

次に、ラジオなどのメディアが生まれ、誰もが楽しむことができるようになり、大衆化します。そしてウォークマン、iPod、iPhoneと、それをラッピングするハードと共にさらに多くの人の日常に浸透しました。

次はユーザー側の体験を変える時代になりました。所有から共有へ、その流れでSpotifyなどが台頭しました。
実際、音楽市場は体験の時代に入ったことで、握手会やライブ、アパレルで稼ぐのが直近のトレンドだったと思います。いつしか音楽自体はただバラ撒かれるファン獲得経路に変わり、ライブとグッズという体験がマネタイズポイントになりました。

しかしコロナで体験を売ることが難しくなった今、音楽市場が次のマネタイズポイントを探さなくてはいけなくなりました。そのひとつが「ギフティング」。コンテンツが音楽からその製造元である人間に変わっています。

確かに好きな音楽コンテンツがあり、それを楽しみ続けたいのであれば、その製造元である人間にお金を払い、活動を支援するしかありません。まるで宮廷音楽の時代にぐるっと一周回って戻ってきた感覚です。ただ違うのは、インターネットのおかげで距離の壁もなく、ハードのおかげで場所の制限もなくなったことで、お金の出し手が幅広く募られることでしょうか。

ではこの次は何か。そうするともっとこの支援の輪を形作るインフラのアップデートが必要だと感じます。「ファンマーケティング」なんて言葉もありますが、そこがもっと進化することが、次の+αじゃないかな?と思います。
アーティストはファンとの関係をどうすれば強めることができるか、を考える必要がありそうです。今は自分の届けたいメッセージを伝えるチャネルは色々あります。サプスクチャネルもあれば、ギフティングチャネルもある、あるいは会員制のトークチャネルもある、というような使いわけもできますね。音楽ビジネスは、ファンあってのビジネスです。
“アーティストとファンの「美しい関係」をつくっていかなくてはならない”
心に染み入る素敵な考え方。
帰省にあたって日本はホワイトリストを作り、海外はブラックリストを作ると言いますが、はやり初動の早さ、やったもんがちという意味で事業者の攻めやすさには差があると感じました。

一方、中国のソーシャルカラオケでは、原盤をそのまま使ってしまいます。楽曲からボーカルだけ抜くことのできるアプリがありますが、ああいう機能がサブスクのアプリに載っていて、マイクのボタンを押したら、ボーカル抜きの音楽が流れてくるようなイメージですね。
これは、中国では著作権管理上、グレーゾーンだったからこそできた話です。
仕組みのイノベーションも大切だけれど、コンテンツそのもののイノベーションも大切。
この二つを同時に考え続けていく必要があります。
音楽サブスクにカラオケを組み合わせて、ユーザーが「歌ってみた」動画を投稿できるようにしたもの。そこに、ギフティング(投げ銭)の機能も付けて、気に入った歌い手に「貢げる」ような仕組みをつくる。すると、ギフティングの部分だけでサブスク本体の倍以上を稼ぐようになった
経済が成り立つ根っこの感情に戻ると次が…「アーティストにエンゲージメントしたいのに、音楽を聴くくらいしか応援する手段がない…1回聴いてもらってもスズメの涙……1枚3000円のCDをユーザーが買っていた時代には、きちんとした関係が築けていたわけです」
「著作権」から「原盤権」へ、フォーカスが移行するのですね。
最近、「原盤権の売却」に関する記事が多かった理由がわかりました。
音楽は生活には欠かせないものですが、好きなアーティストを応援する気持ちをビジネスに、どう反映できるか?それも美しい課金で…ここがポイントですね。
勉強になる、よい記事でした。

※個人的な見解であり、所属する会社、組織とは全く関係ありません
サブスクで、伝える側にも機会は広がった一方、
ファンとの関係性はフィジカルな場に。
そしてコロナで加速する、次の関係性の変化
この連載について
まるで預言者(プロフェット)のように、新しい時代のうねりをいち早く紹介するNewsPicksのインタビュー集。本質を見抜く視点を毎週つむいでゆくことで、ちょっと先の未来を覗こう。