日立、米ITグローバルロジックの買収発表 1兆円規模
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日本のモノづくりを牽引してきたプレイヤーのソフト転換が本格化してきましたね。パナソニックのブルーヨンダーもしかりですが、やはり皆さん価格へのコメントが多い。日本企業は海外展開はそれなりに成功してきたものの、外資系企業の買収は散々な結果でした。しかし、この近年のファンド傘下で筋肉質になった企業を買収というパターンは非常に良いと思います。高値出さざるおえないものの、グループの一員として貢献してもらう成功確率はグッと上がる。日本にいる経営陣がこの規模の会社をマネジメントするのは人材難がゆえ難しいので、このパターンは引き続き増えていくでしょう。外資系投資銀行出身者としては、ファンド傘下の買収候補案件が次から次へと日本企業に紹介されているの目に浮かびます。
ルマーダは号令をかけ、意思統一を図るには適任でした。あとはしっかりとビジネスの実態を社内運用以外で築く必要があると思いますが、こういうご時世なので固執せず柔軟にピボットしながら進めて頂きたいと思います。日本のモノづくりがどのようなライフステージに次突入するのか楽しみでなりません。ABBのパワーグリッド部門を手に入れて、一気に電力部門のグローバル顧客を獲得した日立の次の狙いは、Global Logicだったんですね。
ABBを債務引受を含めて1兆円規模で買収しましたが、特に洋上風力においてABBの高圧直流送電技術は大きな期待ができます。
ABBもIoTの基盤を持っていますが、それを日立のLumadaに統合していけば、日立のプラットフォームは先行するSiemensに引けをとらないでしょう。
そして、Global Logicを再び1兆円規模で買収するという発表は、Lumadaの顧客をグローバルな大手顧客に展開するという狙いを表明したものと言えます。
ところで、Global Logicの先見性は、DXイノベーションの支援にとどまらず、DXのその先を見据えていることです。
仮想現実などデジタル化によるイノベーションを共創していく仕組みを顧客のビジネス支援につなげようとしているようなところは、その一例でしょう。
また人の体につけたセンサーを活用することも目指していて、この点は、日立の名札に仕込んだ振動センサーによって、生産線を高めるというビジネスともうまく融合しそうです。
グローバル顧客に対するLumadaの認知度を一気に上げる2度目の買収は、ソフトウエア企業へと本格的に動き出したということでしょう。
参考) 組織の“ハピネス度”をウェアラブルセンサーで測定する新技術 日立が開発2015年02月09日
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1502/09/news142.html(第一印象のみですが)ABBパワーグリッドに続く案件で、経営陣に今十分な体力あったのかと(ルマーダの事業基盤固めにスピードアップが必須なのかもしれません)。
個人的には、顔認証を梃子に海外の公的部門をうまく掬い上げいずれこれを国内に展開するシナリオのNECのM&Aアプローチが堅実に思えます(ごくごく主観ですが・・・)。
PS
日立によれば「EV/EBITDAマルチプル:2021年37.4倍、2022年29.4倍」。。。
日立は広範な顧客基盤にルマーダを展開する腹づもりかと。この積極性に期待ですね。(よくはわかりませんが)シリコンバレーの人材をいかに包摂できるのか、注目したいです。日立自身がベンチャー化したらなお素晴らしい。