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NewsPicks編集部のオリジナルニュース連載。いま知りたい注目ニュースを、わかりやすい解説や当事者インタビューなどでお届けする。
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写真フィルム製造で創業。現在は、主力のヘルスケア(医療機器)を中心に、マテリアルズ(電子材料)、ビジネスイノベーション(複合機)、イメージング(チェキ)事業を展開。アジア地域を中心に海外展開も。
時価総額
4.18 兆円
業績
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まず、記事に業績推移のグラフがあるが01年3月期→02年3月期に大きく売上が伸びているのは、Xeroxの経営危機によって富士ゼロックスを連結子会社化できたため。当時はカラー化の途中でイメージング(写真)が減少するなかで業績を支えた。そこが稼いでいたからこそ、買収含めた医療とTACフィルムなどへの投資(両方ともセグメントとしては現在はヘルスケア&マテリアルズソリューション、昔はインフォメーションソリューションと呼ばれていた)、そしてイメージングの構造改革ができた。
そのうえで、メディカルについても富山化学から始まったものではなく、元々X線写真などからの系譜で医療情報システムなどもある。IR資料でさかのぼれるのは2004年3月期までだが売上約2000億円弱。2020年3月期は約5000億円(ヘルスケア&マテリアルズの残り半分は高機能材料やオフセット印刷関連などの事業)。富山化学や和光純薬の買収、またCDMO事業の成長などもちろんすごいが、記事は少しミスリーディングだと思う。ここらへんは富士フイルムが「化学メーカー」であることからの系譜。
富士フイルムや古森氏は、メディカルや化粧品、写真フィルムの王者だったKodakとの比較で語られることが多い。もちろんそれはものすごい功績だが、個人的にはそのなかで注目されない写真事業への経営が凄いと思う。
写真・デジカメ市場がこれだけ縮小する中で黒字を維持している。チェキやXシリーズなど、特徴ある製品で顧客をつかんでいる。
2008年くらいの決算説明会で「それでも写真文化は重要だ」といったことを言われていたことを覚える。縮小する事業の扱いはとても難しい。利益を稼いでいるか稼いでいないかで社内での存在感は全く異なるし、もっとこっちに投資したほうがいい、早く撤退したほうがいいのではないかという意見も社内外から出る。それでも意思を持ってメッセージを出し、また経営結果も出すから続けられる。そして写真文化のメインプレイヤーはスマホやInstagramなどにシフトしているが、やはり写真文化は残っている。
◾︎急成長している同社のバイオ医薬品製造受託事業に関する記事はこちら
https://newspicks.com/news/5470692/
デジタルカメラの普及期にはまだプリント需要があり、この写真フィルムや写真プリント・現像も含めて富士フイルムは基礎技術と事業を持っており、写真というセグメントで何回もお金を稼げるポイントがあり、大きな利益を生み出してきた。
今ではスマホやタブレット、SNSの普及により現像需要は大きく減退し、人々は撮影した写真をアルバムで見るのではなく、スマホの画面やPCの画面で見て、データで管理している人が多くなった。街の写真屋さんは無くなり、富士フイルムは文字通り、利益を稼ぐ虎の子事業、本業喪失の危機に晒された。
ポートフォリオを組み替えてメディカルやドキュメント事業に大きく舵を切ってきて、経営学のテキストにもコダックと並んで必ず掲載されるほどの名企業として名を馳せてきた。経営は結局は人であり、今後の富士フイルムを見ていくことできちんと人材が育ってきたのか否かが見えて来るのだろう。
最近はあまり良いニュースを聞かないNikonをはじめ、カメラだけに頼りきっている事業構成の会社は軒並み苦しんでいます。
テクノロジーの発達が過去のテクノロジーを壊すは時代の流れなので仕方ないですが、企業としてはその波にいかに対応するか。
今後、加速するだろう進化に取り残されない様になお気をつけないといけないでしょうし、国としてデジタル化に取り残されている日本が"過去"にならない様に踏ん張りたいですね。
内燃機関の自動車から、EVに変わる時にも、業界は違うものの、自動車業界は、どうなのだろう…
コダックになるのか、富士フィルムになるのか。
※個人的な見解であり、所属する会社、組織とは全く関係ありません