【1分概要】野村も三菱UFJも損失。「アルケゴス事件」って何?
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リーマンショックは機関投資家起点のショック、LTCMはヘッジファンド起点のショックだったので、ケースとしてはリーマンショックよりはLTCMの方が近いですね。
ただしLTCMのときは、世界中のヘッジファンドが同じようなポジションをとっていたことで事態が悪化したこと、デリバティブが相対取引で、どこにどのくらいの取引があるかがよくわからず、疑心暗鬼を引き起こしたことに比べると、
今は、デリバティブはセントラルクリアリングハウスを通じた取引になっていてポジション把握は可能なこと、それから、同じような損失を抱えているファンドの話が出てこないという点は、LTCM事件との違いですかね。
実は蓋を開けてみたら、同じようなファンドがボロボロ出てきたって話になると少し怖いですが、今の所はそんな感じはなさそう。
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【9:53更新】一部最新情報を追加・修正しました。
クレジット市場はいまのところ落ち着いておりシステミックに広がる気配はありませんが、イージーな過剰流動性相場が終わりつつあることを市場は受け入れる必要があるのかもしれません。
それにしても、インサイダー取引の前科があるフアン氏を上顧客として再度取引していた、金融各社の姿勢も問われそうです。報道からもう少し厳密に見ると、追証を求めたのは3/26(金)より前だと思う。
①を見ると、求めざるを得ない状態だが払えなさそう。そして金融機関同士で調整を試みたが失敗し、各社が自社保全のために我先にと売ったのが金曜(①でのAkiさんと戸田さんのコメントをご参照いただきたい)。なぜそれができたかという仮説について興味がある方は②のこぐまさんのTweetがおすすめ。
①https://newspicks.com/news/5724061
②https://twitter.com/kogumathenics/status/1376832961459331079
ただポジション処分は、記事や③の株価推移をみても26日以前に始まっていたと思う。アルケゴス自体の売りか、金融機関の売りかは不明だが…ポジションがあったViacomが増資発表し3/23に株価下落したのがトリガーの一つと報じられているが、それ以外のも3/26(金)以前から大きく下落している。
③https://newspicks.com/news/5725729
今後については、サブプライムのような金融商品のCF自体に疑問がつく状態ではない。一方で、上記③や下記④でコメントしたが、同様の信用供与をされていたHFはあると思う(儲かるビジネスを特定顧客だけにするとは考えにくい)。
こういう事案が出ると全部見直せとなりポジション縮小に動かざるを得ない可能性はある(いうなれば民間による金融引き締め)。でも、それがシステミックリスクを呼んでは元も子もないので、一定時間をかけて解消するのではないかと思う。
④https://newspicks.com/news/5723940
なお、ビル・フアン氏は元々Tiger ManagementというITバブルで閉鎖した有名なHFで働いていた。今でもTigerの名前が残っているファンド含め、Tiger Cubs(虎の子)と呼ばれている。同氏もTiger Asia Managementというファンドをやっていたが、一度インサイダーで退場となっている。
その創始者のジュリアン・ロバートソンからのコメントなど、文脈に興味がある方は下記も併せて。
⑤https://newspicks.com/news/5725387
⑥https://newspicks.com/news/5723457野村HDと三菱UFJ証券HDが、相次いで、巨額の損失を出す可能性があるというニュースについて掘り下げます。この波紋がどこまで広がるのか。
金融市場全体への影響は少ないとも言われますが、すでにグローバルで影響が広がっており、今後、どうなるか予断を許さない気がします。