「数学苦手な」研究者が説く統計学の可能性 PCR検査からAiまで
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元記事未読ですが。私もずーーーっと数学が苦手だったのに、大学で統計に目覚めて以来、日々統計を扱い、とうとう学生に統計を教えるまでに。標準分布の美しさ、不確実性に満ちた世界を生きるための装備、そして現在の知の最先端を切り拓く道具・・・、統計は本当に幅も広く奥も深いです。そんなエキサイティングさがもっと広く知られて欲しい。しかし、間違った出逢いをしてしまうとそのままキライになってしまいます。私が教えているビジネススクールでも、「統計はつまらない、難しい、役に立たない」と決めつけてしまっている学生も多いです。私が教えてきた大学ではどこも統計は教えるのが難しいクラスというのが定評で(経済やビジネスの学生だからかもしれませんが)、学生からの評価が低くなる教師泣かせのクラスです。統計を学ぶ皆さま、まず必要なのはオープンマインドです。
統計情報はニュースをはじめあちこちで見かけるが、読み解くリテラシーがなかなか浸透しない。統計的にものを考えることは数学的でありながら哲学的でもあり得る。統計への間口が広くなりますように。
紹介されている「統計学を哲学する」読了致しました。
ここでの数学はテクニカルな検定や機械学習を表しているのかもしれませんが、本書の目的は数理理論を扱う前段階の世界の切り取り方について言及しています。
つまり統計処理する考察対象が、どんな構造を持っていて、どんな推論が可能なのかを示すために必要な前提条件について一書を割いている稀有な本です。
その前提とは、自然の斉一性と因果性、自然種のカテゴリーといった認識論と存在論といった哲学の問題に繋がります。
そして統計処理後の解釈すなわち意味論にまで言及しており、単に統計モデルや確率モデルを使って世界を要約した数値を独り歩きさせることも意図しておりません。
例えば、ガウス分布などを使ったパラメトリックな分布を前提にしている統計処理など余り気にされないですから、何故大数の法則が成り立つのかなど、適用可能な確率分布を知っているだけでも統計処理に対する見方が変わると思います。本書には種々の確率分布の関係性を示したLeemis&McQueston, 2008の図が紹介されてます。
統計学もJustified true beliefであるということを認識すると、数学が必要な手続きで有り、思考の節約をするための便利な道具であることも理解出来るような内容になっている書籍でした。意味論のところは正直良くわかりませんでした。
アインシュタインも数学は苦手だったと言われてますし、既存の世界観を批判的に検証するには直観も必要でしょうし、数理的検証も必要と言うことで、必要に迫られると数学も道具として使える、と思えないですかね。