1誌年間5万円が35万円、高価な学術誌を大学は「買えない」…「知のサイクル」崩壊の危機
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注目のコメント
ジャーナル出版は、学者からの労働搾取に基づくブランドビジネスです。 何故、著者も査読者も編集者も、みんなタダ働きなのに集まるのかというと、ブランド名をCVに載せたいからなんですねぇ では何故、載せたいのかというと、大学経営側、スポンサー、(その結果) 学者自身が、それを評価指標にしているからなんですねぇ では何故、ブランドで評価するのかというと、内容を見て評価するのは手間がかかるからなんですねぇ (字数のため3回でやめときます)
ただ、IEEEなどの非営利学会 (.org) が出版するジャーナルと、elsevierなどの営利カイシャ (.com)が出版するジャーナルをまず分けて考えないといけませんねぇ 両者とも学者の搾取 (簡単にいうとタダで品質管理のために働き、著者はタダで著作権放棄する上にお金も払う) に基づいて運営されているのは同じなのですが、.orgには、ジャーナル出版とは別の、専門家コミュニティ提供という社会的意義がゼロとは言えないので、ワタシは100%反対ではありません
一方.comジャーナルは、ワタシは廃止すべきべきだと考えています 研究スポンサーから見ても、自分たちのお金 (政府の場合は国民の税金)による成果物が、特定の .com出版社にタダで所有され、その成果物にアクセスするため更に自分たちのお金が使われる、というのは納得いかないと思いますしねぇ そのため、多くの国 (あ、ニホンはシリマセン) の政府系グラントでは、研究結果のパブリックアクセスをmandateしていますよ
昨日たまたま気づいたのですが、google scholarで、研究成果物のパブリックアクセスをmandateするスポンサー名が記述されている論文は、著者にpdfアップロードを即す、っていう新機能がつきましたねぇ 個人対個人の情報交換モデルのacademia やresearchgateとはまた別の、グーグルらしいクレバーばやり方だと思いましたねぇ コレ、出版社側と正面から争っても勝てそう、という点でかなり画期的です (academia やresearchgateは負けそうなので、アップロード側への責任転嫁でしのいでるのに比べ)
ニホンの政府系グラントが研究成果物のパブリックアクセスをmandateしていないなら、今すぐおやりになるべきでしょうねぇどの大学も学術誌購読費高騰の影響は大きく受けていると思います。必要に応じて専攻や研究室単位で定期購読を維持するところもありますが、やはり限界があります。制限なく読めるのとそうでないのは違いが大きく出ます。
一方で、学会から見たら大学や企業の学会離れもまた深刻で、会員減だけでなく法人会員解約、定期購読解約などこれまで見込めていた収入が激減してビジネスモデルの転換を迫られている学会も。
学術誌によっては読者から料金を取るのではなく発表者から料金をとってオープンアクセスにしてしまう戦略を取るものも。ネイチャーが掲載費120万円になった衝撃は記憶に新しいところ。ただ、これだと年間研究費が一発で飛ぶという事態も起こりえます。
この様にみんなのビジネスモデルが崩れてきている背景にはアーカイブサイトの存在もあるでしょうが、そのサイトたちもまた運営・維持費の課題があると聞きます。
結局どこもジリ貧で負のループに入っている気がします。逆に私が幹事として関わった学会のあるグループでは「細かく切り分けて料金を取るから『いらない』となるのでは?ちょっとだけ高くする代わりに全部盛り、すなわち全部聴講・閲読できますとしたらいいのでは?」という案が採用されて、うまく行っているようにも見えます。
ネイチャー高額掲載料の衝撃 進む学術誌オープン化
https://newspicks.com/news/5547287
(追記、文字数制限があるので簡潔に)
・査読者、取りまとめは全員ボランティア。無償です。
・出版費用ですが、オンラインだけになる雑誌も多いのでかかるとは考えにくい
・カラーや特殊印刷の場合は著者にコスト負担を求めます。
・広告はもともとないのがほとんど。機関誌にはつくことがあり、こちらは確かに減っています。
・論文誌で地域によって出版費が異なるのは自分は聞いたことないです。有料記事ですが、ぜひ知って頂きたい。大学図書館はその歴史的経緯により今や(とくに"理系”では)主流となる電子ジャーナルの購入も取り扱っていますが、その費用は鰻登りです。一方で、研究者にとっては投稿料も高額になりつつあります。
記事の中でコメントされていた国立情報学研究所の船守美穂先生に、過日、ご講演頂いた際の資料が以下に公開されています。
https://researchmap.jp/funamori/presentations/31769123
大部にわたる資料ですが、歴史的経緯も含めて現状認識になると思います。
下記、種々の方々がコメントされているのも頷ける点が多々あります。