IHI、赤字回避は「脇役」頼み リスク退治が貢献
日本経済新聞
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注目のコメント
ファイナンス部門、特にFP&Aが企業経営に貢献するという一例だと思います。
記事の中で注目したのは、2017年の組織改編でリスク管理を強化する体制を作ることで「追加コスト」が減少したとのこと。かつて「業績下方修正の常連企業」というありがたくない評価を下されていたIHIですが、JPMのコメントにもあるように、大幅評価改善となったようです。
変革前のIHIは、大型受注にインセンティブのある部門長の決裁権限が強かった。それを他部門の決裁者の「横やり」が容赦なく入り、コストや工期の下振れリスクを徹底的に管理するようになった。当然の結果、部門長の参謀としてリスク評価管理できる人が意思決定に影響を与えるようになる。まあ、当たり前っちゃ当たり前の事なのですが、売上至上主義・ライン長の絶対的権限という構造上の課題を持っている会社はまだまだ過去のIHIのような意思決定プロセスから脱却できていない会社も多いのかもしれませんね。そういう会社にとってもIHIの試みはヒントになるかもしれませんね。
記事には書かれていませんが、IHIは社外取締役の数も増やしています。ガバナンスを強化するために、意思決定のプロセスをトップダウンで変更する、その新しい秩序に合わせるために部門長がEVA/ROICに直結するKPIを意識し始め、そこにFP&A的人間が参謀として働きかける。この一連のプロセスというのが王道的な「ファイナンス思考を持った企業へのトランスフォーム」の道筋になるという感じでしょうかね。