中国外相、中東6カ国を訪問 「対中包囲網」に対抗狙う
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訪問先の6ヵ国は、サウディアラビア、トルコ、イラン、UAE、バハレイン、オマーンです。このうち中国との関係が最も深まりつつあるのは、イランです。国際的孤立を深めるイランは、中国からの包括的な協力を渇望しています。
しかし、中国は何もイランだけに肩入れして、イランのいう「抵抗の枢軸」の後ろ盾になりたいわけではありません。
中東は複雑で、親米とか親中とかいう以前に、サウディアラビア+UAE+イスラエル連合 対 イラン、を軸にして、中東の中で対立を深めています。
中国は、(日本もそうですが)別にイランだけから好かれたいわけではなく、中東の全ての国から賞賛と支持と経済的利益を得たいと思っています。しかし、それは中東の複雑なバランスを考えると難しいことです。
幸い、中国はサウディアラビアなどの産油国にとって最大の顧客になっています。太陽光発電や風力発電、その他インフラの発展でも、中国が最重要の役割を果たしつつあります。経済的なプレゼンスは拡大を続けるでしょう。
中国に政治的な盟主であるとか仲介者のような役割を期待する中東の国は無いでしょう。日本や韓国もそうですが、東アジアの国は、中東では「経済だけの国」以上の存在になるのは、ほとんど無理です。中国はアメリカに対抗するためにもっとも「伸びシロ」のある外交分野を重点的に全方位外交を展開している。中東、朝鮮半島、中ロなどの分野。サウジとの関係では、サウジの国営石油企業「サウジアラムコ」のナセル最高経営責任者が「今後50年、中国のエネルギー需要を満たすことが我々の最優先事項だ」と述べたことで何が起きているかがわかる。中韓電話首脳会談、中ロ外相会談、中朝トップの親書交換・・・。中国外交は全開中。