株価が上がる可能性が高いファイナンスとは? 「新株予約権ファイナンス後の株価変動分析に関する共同研究レポート」
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一橋大学鈴木教授との共同研究レポート第一弾を公開しました!近年、上場企業の資金調達として主流となった新株予約権ファイナンスにおいて、
▼株価が上がる可能性が高いのはどういった案件か?
▼逆に下がりやすいのは?
▼希薄化率と株価の相関
▼一般的にどれぐらい株価は下がる?
などを2014-2019年に発表された全279案件を対象に、発表後1年間の株価推移を分析しました。
結論を少しだけ紹介すると、株価が上がった案件は全体の1/4で、資金使途が「M&A」「人材面での事業への投資」「不動産の取得」のファイナンスは他と比べ株価がアウトパフォームしやすく、資金使途が「運転資金」や「設備投資」のファイナンスはアンダーパフォームしやすいことがわかりました。
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企業を成長させていくうえでエクイティファイナンスは戦略上、重要な打ち手の一つです。
但し、エクイティファイナンスは調達による希薄化と、その調達資金を活用した事業成長(ひいてはEPS向上)までにタイムラグが生まれるため、短期的には株価が下落し、株主に負担を強いることが多いのが実情です。
しかしデータの抽出が容易でないことから、エクイティファイナンス検討時に、ファイナンスによる株価影響がどのぐらいあるのか、過去の実データを基に議論されることはほぼありませんでした。
(好事例のみピックアップしたり、恣意的な切り口でのランキングを見て判断していたことも多いかと思います)
短期的には株主に負担を強いることがあるからこそ、その影響を正しく理解し、できる限りの対策を打つことが重要です。
本研究結果がファイナンスを検討しておられる方の一助になれば嬉しいです。