FRB議長、失業率は「極めて望ましい」動き反映せず-上院証言
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パウエル議長は、大変注意深い情報発信をされる人と思います。例えばインフレ率については、「大して上がらない」ではなく「上がってもびっくりするな」と市場に予防線を張る方向に、徐々に情報発信をシフトしているように感じます。
失業率についても、一方で「失業率の回復が鈍い」という政界からの批判に対しては「労働市場への参入が回復している(⇒労働市場は失業率の数字以上に回復している)」と言えますし、一方で、需給ギャップ面からのインフレ圧力警戒論に対しては、「労働供給も増えている(⇒だからインフレ圧力は急速には高まらないだろう」との論拠にも使えるので、なかなか上手な言い方だな、と思いました。
いずれにしても、失業率は単独では需給ギャップを把握する上でかなり制約のある指標なので、ある程度プレイダウンしておくことが賢明と感じます。力強い今年の経済成長を見込んでいるにもかかわらず、失業率の低下予想が相対的に控えめにとどまっている背景には、雇用のミスマッチもあるかもしれませんね。
米国もコロナショックで移動や接触を伴うビジネスがダメージを受け、ある意味産業構造の変化を余儀なくされましたから、労働市場の流動性が高い米国でも、その急激な変化に労働者が対応しきれていない側面もあるのかもしれません。分かりやすく言えば、仕事を探し始める人が増えるので、失業統計は劇的には改善しませんということですね。
確かにそうした動きも事実ですが、二極化も問題だと思います。つまり、マクロでは需要不足が急ピッチで解消しても、その牽引役は財需要であって、需要不足状態のサービス市場ではまだ余剰労働力が残ってしまいます。これも、失業率が急低下しない一因だと思います。