イエレン米財務長官、増税を支持 インフラ財源で法人税上げ
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トランプ前大統領が35%から21%に引き下げたものを28%の中間点まで戻すということですね。法人税が企業経営に与える影響は甚大で、サムスンが日本企業を打ち負かして急成長した1990年代から2000年代にかけて韓国の法人税率が日本と同じだったら、サムスンの設備投資は毎年2000億円程度少なくなって、日本企業がこれほど負けることはなかったとも言われます。
トランプ減税の前、米国の法人税率は先進国で一番高いと言われていましたが、税務署が法律を都合よく解釈して通達を出し、それを自ら都合よく解釈して税金をがっちり取る日本と違い、米国では企業が明文の規定を税務署と平等な立場で解釈して節税出来ますから、グローバルな利益に対する法人税負担はもともと低く抑えられています。資料が古いですが2005年から2009年の利益に対する実質的な法人税負担を財務諸表で調べると、日本企業の33%、フランス企業の23%に対し米国企業は19%という結果が出ています。
それが米国企業の投資余力を高めて成長に寄与したわけですが「海外へ拠点を移した米企業への罰則的な税制」を導入して米国企業を本格的に縛るなら「国際的な法人税率引き下げ競争の是正」が為されない限り、米国企業の競争力を奪うことは間違いなさそうに感じます。
所得にかかる直接税を引き下げて消費税に当たる間接税で広く浅く税金を取る方が中長期的にみて自国内の働く場を増やし国民も国も豊かになると信じて続けられてきた法人税の引き下げ競争は潮目が変わるのか。失敗すると米国企業が米国を出るなり国際競争に立ち遅れるなりして勢いを失います。米国政府の指導力が問われる結構大きな政策転換であるように感じます。(@@。法人税率引き上げをはじめとした増税はバイデン氏の選挙公約となってましたから、それはそうでしょうね。
ただ、それを打ち出す時期や打ち出し方次第では、来年11月の中間選挙の結果が変わってくる可能性があるでしょう。200兆円の経済救済策に続いて、330兆円のインフラ投資をするのだから、相当な財政出動となり、財政赤字をさらに悪化させることになるので、増税は不可避だろう。問題はどのような税を誰にかけるか、ということだが、ひともめありそう。