英アストラ製ワクチン、米治験データは不完全な可能性=米感染研
コメント
注目のコメント
記事中にある、米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)の独立組織のデータ安全性モニタリング委員会(DSMB)のコメント
・「不完全な」有効性データを提供した可能性
・「アストラゼネカが治験の古い情報を盛り込んだ可能性があり、有効性データの不完全な概観を提供したかもしれないとの懸念」
が何を意味するかということですが、記事中の「DSMBコメント」の出所が不明のため、憶測の域をでませんが、あえて推測します。
米国では、「透明性を高め厳密に行うため」に、実施中の臨床試験が常時公開されています。臨床試験の成績が悪かった場合に、試験実施者が「なかったこと(悪い成績を非公表にする)」にすることを防ぐための措置です。英アストラゼネカ社の新型コロナウィルスの成績は、こちらに公表されています。
https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT04516746?term=NCT04516746&draw=2&rank=1
この臨床試験の成績は、アストラゼネカ社の記者発表により、2021年3月21日(世界標準時)に公表されました。その記事はこちらです。
https://www.astrazeneca.com/media-centre/press-releases/2021/astrazeneca-us-vaccine-trial-met-primary-endpoint.html#!
記事からは、32,449症例の臨床試験であること、DSMBが少なくとも1回のワクチンを投与された21,583 症例に関して、欧州等で話題になっている「血栓性の有害事象、特に重症硬膜静脈洞血栓症の発生」に対して、危険性はないとの成績が示されたと書かれています。また、(このような有益性を暗示したうえで)米国で緊急使用の承認申請を数週間内に行う予定と書かれ、同時並行的に査読付きの学術雑誌への掲載申請を行うと書かれています。
昨日(3月22日)のBloombergの報道は、企業が伝えたいことを報道機関に渡す「記者発表」のレベルのため、DSMBがその世論誘導的な情報公開に対して釘を刺したものだと思われます。
関連コメント
https://newspicks.com/news/5705265
https://newspicks.com/news/5587944海外主要メディアは軒並み扱っているアストラの治験データ不備。ワクチンレースを巡り、アストラ周辺が騒がしい状況が続いていますね。
ーーーー
NIAIDによると、独立組織のデータ安全性モニタリング委員会(DSMB)は「アストラゼネカが治験の古い情報を盛り込んだ可能性があり、有効性データの不完全な概観を提供したかもしれないとの懸念を表明した」