ルネサス、一部半導体の生産停止 工場火災で対策本部
コメント
選択しているユーザー
半導体は「産業のコメ」とはまさにその通りで、今回の工場火災によって半導体業界が打撃を受けるのは勿論の事、それによって自動車の生産が停止すれば自動車業界が打撃を受ける他、そこに部品を供給しているメーカー、素材を供給している素材・材料産業の全てが打撃を受けることになります。
製品の複合材料化/複雑化/高度化が進行すればするほど、複数の産業分野が歩調を合わせて協働的に生産活動を継続する事が求められる訳で、単一の企業・業界の問題と高を括っていられる状態にも徐々に限界が出てくる事でしょう。そうなった時、工業或いは産業というものが単一企業の利潤追求だけで語られる世界観を脱して、より協働的な枠組みを作り込んで行けるかが重要になってくる時代がいつの日か来るのであろうと思います。今回の一件の影響が各所に出始めるに従って、多くの人がそういった事を少しずつ考え始めるのではないかと思います。それぐらい産業全体にとって重大な事件です。
注目のコメント
まずはケガ等がないことを願う…ただ車載半導体の需給は元々タイトなのが一気にもっとタイトになると思う。
下記が会社リリース。リリースや報道を見ている限りケガ人などの言及はない。一方で火災が出た工場はN3という300mmというサイズのウエハを使う工場で、一番生産量が多いラインだと思う。
そして出火現場はクリーンルームとのこと。半導体製造プロセスは元々極めて高い清浄度が求められる。火災が起こるということは、それをキレイにすることはもちろんだが、製造途中にあったウエハ(最初の工程から完成まででは数か月かかるのが普通)も廃棄せざるを得ないものも一定出てくるのではないかと思う。特にある企業・モデルに特化した半導体であれば、代替生産も難しいこともある。
なんとか早く復旧してほしいが…
https://bit.ly/3s4wZox
①は2018年の記事だが、国内工場の一覧が出ている。前工程(回路を形成する一番重要な工程)について、300mm(12インチ)は当時は鶴岡もあったがその時点でソニーに売却決定していた。そしてかなりの工場が操業継続方針ではなかったことが窺えると思う。②はルネサスの品質保証の記事だが、スライド7に昨年1月時点での世界含めた拠点が出ていて、前工程は国内以外では米国フロリダ・パームベイのみ(買収したIntersilの工場、ググると多分150-200mm)。
ここしばらくはファンドリーにも出すファブライト方式に経営をシフトしていた。
旭化成の工場火災で代替生産をルネサスがするという報道が1月末にあった(③)が、旭化成よりルネサス那珂工場の規模は相当大きいし、特に国内車載バリューチェーンへの影響がめちゃくちゃ大きいはず…
①https://sangyo-times.jp/article.aspx?ID=2659
②https://www.renesas.com/in/ja/document/renesas-electronics-quality-assurance-system
③https://newspicks.com/news/5568008被害に遭われた方にお見舞いを申し上げます。怪我人が出ていなければ良いのですが。
ただでさえ供給不足なのに、弱り目にたたり目ですね。国内供給体制の見直しは急務です。