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JAniCAさん(日本アニメーター・演出協会)のデータが引用されています。いつも完成度の高い素晴らしい調査レポートを出されていますが、読んでいてとても悲しくなります。
アニメーターの多くはフリーランスで労基法の対象外なので、厚労者は動けません。アニメーターの労働者性が認められること、製作委員会のシステムが変革されることを、心から願っています。
アニメーターの給料が低いことの問題で原因がアニメ制作会社自身にはありません。2018年のデータを見てもアニメ制作会社の60%は従業員数20人以下の小さな会社で年間売上3億円にも満たない会社で回っているのが現実です。
アニメーターへ給料を回したいのは山々だがそもそも会社で稼いでいる額が小さすぎるということですね。
制作会社が稼げないのは、アニメをつくるときに用いられる製作委員会方式によるものです。これはアニメに関わる企業が制作費を出し合い、その額に応じて権利をもらうというものです。この方式のおかげで製作会社が制作のリスクを負わずにアニメをつくれるようになったわけですが、代わりにアニメがヒットしても制作費しか稼げないというジレンマに陥るようになりました。
鬼滅の刃を筆頭に最近のアニメでもその経済効果の高さは証明されています。
アニメーターが稼げるようになるには業界が慣習化してきた構造を大きく変えないといけない。
そのための一つのやり方はIPを持つ企業の内部でアニメ制作部門を持つことじゃないかと思います。
報酬をちゃんと再配分すること。当たり前なのにできていないことを僕らスタートアップを含め、再構築していくときだろうと思います。
制作委員会方式が悪い、やりがい搾取が悪いといった、一瞥的な議論はされつくされていて、実際、Amazonで検索すれば有識者の知見ある本が何冊もヒットする。
自分の結論としては、Amazon儲かっているのに流通業界の賃金が上がらないのと同じ問題で、産業構造の問題でなく、文化として企業が収益性に対して無頓着なのが原因ではないかと思っている。一昔前違い、アニメ業界は儲けるのがほぼ不可能な状況ではなく、儲かるところは儲かりつつあると聞いている。一方で既に新人がフランスや韓国・中国などの比率が増え、日本人が減っているというのも聞く。
個人的には、クリエイターの経済リテラシーの低さが、使い捨てされる最大の理由で、儲ける気がないクリエイターとクリエイティブに対する敬意が低すぎる人の両方がが多すぎると感じる。つまり、教育の問題だと思う。
日本がアニメ・マンガ・ゲームといった世界で通用する文化が生まれた理由は、正直よくわからないが、たぶん幼児教育に関する文化の中にある気がしていて、象徴的なのが、日本人の絵をかける率が異常に高いことだと思う。
そういったクリエイティブに有利な背景があるからこそ、日本人が水といった世界においては重要資源中の重要資源に無関心なのと同様に、才能を守るリサイクルを作るという無頓着なのではないかと思っているが、
ぶっちゃけ、今勃興しているアニメ・ゲーム・マンガなど、既存の財産がが滅んで将来的に困るのは未来の若者ではなく、改善する活動に無関心な既に地位がある人だと思う。それならば自業自得なんじゃないだろうか。
なぜ制作委員会という仕組みができたのかという検討もせずに、制作委員会が悪いとシンプルな結論に飛びつきがちな人たちの無責任さに、怒り心頭な気持ちもあるが、結局滅んで困るのが当事者であるならばもうそれでいいんではないかもしれないという諦念もある。
遣り甲斐搾取は色んな業界にありますが、少なくとも生活ができるベースで人を雇用する体制を経営者は努力すべきですし、労働搾取に上に成り立っている業界自体も変革すべきでしょう。
アニメ業界で病気にでもなったら病院すら行けないことが予測されますし、基本的人権は守られるべきです。
あとは知財ビジネスとして産業としての稼ぎを増やしていくということも並行して必要と感じます。
※個人的な見解であり、所属する会社、組織とは全く関係ありません