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脳波で好みの顔を生成するAIが登場

iStock

 友人が、超絶”推し”人気のアイドルがいるとしよう。その顔の良さをアピールしてくるが、自分はまったくタイプではないってことないだろうか?好みの顔は人それぞれだ。みんな違うからこそ種は存続され多様性が生まれるのだ。

 今回、フィンランド・ヘルシンキ大学とデンマークコペンハーゲン大学のグループが開発したAI(人工知能)は、脳波から個人の好みのタイプを読み取り、それに合わせた理想の顔を生成することができるという。

 このAIを使うことで自分の理想の顔をしっかりと認識することができるし、好みの顔が赤裸々に明かされてしまうのだ。

【人工生成写真を何枚も見てもらい脳波を測定】

 今回の研究で行われたのは、なんだか出会い系アプリでデート相手でも探すかのような実験だ。脳波キャップを被った30名の参加者に次々と画面に映し出される顔を眺めてもらう。

 これらの顔は実在する人物ではなく、有名人20万人の画像データから「敵対的生成ネットワーク」を通じて自動生成した人工の顔写真だ。

 参加者は表示された顔に意識を集中するだけでいい。あとはAIが脳波を正確に読み取ってくれる。

理想の顔を脳波から読み取るAI

credit:Mich Spape

好みの顔を学んで、理想の魅力的な顔の生成に成功

 AIは、参加者が魅力的と感じた顔を学習し、その情報からその人の好みだと推測される顔のモデルを作り出す。

 この作業を何度も繰り返すと、モデルは徐々に1つの顔に収束していく。その顔こそが、この世には実在しないが、参加者にとってはたまらなく魅力的な顔になるという。

 実際に生成された架空の顔を参加者に確認してもらったところ、80%以上は魅力的と評価されたそうだ。


Brain-computer interface for generating personally attractive images

主観的な情報も脳波とAIを組み合わせることで解読可能

 「魅力の評価テストで成功したところが、特に重要です」とスパペ氏は語る。人が感じる魅力は個人的かつ主観的なものだが、脳波を読み取ることで特定の好みを把握することができたのだ。

 すでにAIを使って、客観的なパターンから画像を分類することならできていた。だが今回は、それと脳の反応を組み合わせることで、「個人の好み」という心理的な要素をベースに画像を生成することに成功した。

 今回の方法を応用することで、将来的には認知機能の解明にも役立つかもしれないそうだ。

 ということで、マッチングアプリでガチで理想の相手を探す場合には、脳波AIシステムがオプションで付けられるとかいうサービスが誕生するかもしれないし、そうでもないのかもしれない。

 この研究は『IEEE Transactions on Affective Computing』(2月12日付)で発表された。

References:Beauty is in the Brain of the Beholder: AI Generates Personally Attractive Images by Reading Brain Data - Neuroscience News/ written by hiroching / edited by parumo

 
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