WHO、アストラワクチン接種継続を提言 データ精査は進行中
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医薬品の使用との関連性が明確に否定できない有害事象が見られた場合、その有害事象が医薬品と関連があるか否かが調査されますが、結果がわかるまでに時間がかかりますので、「調査中(関連があるか否かがわからない間)の暫定的な対応をどうするか」についての記事です。WHOの判断は、独自に医薬品の審査機能を持たない国(主に途上国)に影響があります。
暫定的な対応の判断基準についても、「安全性の懸念が使用した場合の有益性の判断を上回るか」、「他に代替するものがあるか」などが影響を及ぼします。
ワクチンの場合は、感染蔓延国であるか否か(公衆衛生上の緊急性)、他に認可されているワクチンがあるか否か、他のワクチンの確保に問題があるなどの事情などを含めて、各国がそれぞれの状況に応じて、暫定的な対応の判断をするはずです。
本日WHOは暫定的には接種継続に問題はないと提言し、過日ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、オランダなど欧州のいくつかの国では「暫定的に」接種を中止する判断しています(暫定対応の内容は今後変わる可能性もあります)。
中断の措置を出した国は、審査している間にも起こる可能性を重視し、そうでない国はワクチン接種の継続のメリットを重視しているものと理解できます。
当ワクチンは、米国では承認申請が出されておらず、使用実績はありません。日本では薬事審査中です。ワクチン接種後に起こった健康上の問題はワクチン接種と結び付けられてしまう可能性があり、解釈には常に注意が必要です。ワクチンは「全ての病気を治す」というわけではないので、当然ワクチンを打った後に何かの病気になることはあり得ます。
アストラゼネカ製のワクチン接種後に、深部静脈血栓症などの血栓ができる有害事象が報告されています。血栓症は、特に肥満の多い国々ではワクチンを打っていない場合でも起こりうる疾患であり、これがワクチンによる影響かどうかは判断が難しいと思います。
『ワクチンの副反応かどうか』ははっきりとわかっていない一方で、『ワクチン接種を中断することのデメリット』は明白です。WHOは両者を天秤にかけて、接種を継続するよう提言したものと思われます。何にせよ現在世界的に
緊急承認されているワクチンは
全て治験継続中なので、
データ収集と分析を行いながら、
1-2年後に最終結論が出るはずです。
よほど人道的倫理的に無視出来ない
有意差を持って後遺症や死亡などが
起きない限りは中止されない様にも
思います。
相関関係の指摘は簡単ですが、
因果関係の否定や証明は
困難なことがほとんどですので、
有害事象として登録はされますが、
治験も兼ねた臨床利用は
このまま進行していくでしょう。
また二重盲検でプラセボ群が
設定されていないことも、
因果関係の評価を難しくしています。
とは言え社会情勢上倫理的に
設定は難しいとは思いますが。
コロナワクチンにも適用される
定期接種ワクチンに伴う
後遺症や死亡に対する政府補償も
「確実な因果関係が証明される」
ことが前提ですのでご注意下さい。