2千年前の聖書断片発掘 60年ぶりの大発見 イスラエル
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聖書の中でも旧約聖書は、紀元前10世紀くらいから何世紀もかけて徐々に成立していったものです。1946年に発見された死海文書は、紀元前1世紀頃に書かれた1000近い写本です。死海文書の意義の1つは、紀元前に書かれたヘブライ語聖書が大量に見つかったことで、旧約聖書の成立過程についての研究を一気に進めたことでした。
今回の発見は2世紀のもので、聖書の写本の80ほどの断片も含まれます。ギリシア語訳の聖書です。聖書研究に重要な内容の可能性はありますが、1946年の発見に及ぶものではないでしょう。
当時のイスラエルはローマ帝国の一部で、ユダヤ属州という名称でしたが、ローマ帝国への反乱を繰り返していました。そのため、ローマ帝国がユダヤ教を根絶しようとしていた頃で、聖書の写本もそれを逃れようとして隠されたのではないかといわれています。紙に書いた文字だから2000年残るわけで、どこかのデータセンターのディスクに記録されたこの文字なんて、いつかデータセンターが物理的に破壊されたら残りもしないんだろうなー。
人類の次の文明の考古学者は、21世紀以降の歴史を再構築するのにさぞかし苦労するでしょう。見つかったのは、ローマ軍に攻められたユダヤ人が立てこもった「マサダの砦」から北に20キロほどの場所。2000年前であれば時代もマサダの攻防とそう大きく変わりません。死海の観光地として有名な保養地エン・ゲディにも近いですが、それ以外はただただ荒涼とした砂漠が広がる地域です。いろいろ想像が広がるニュースです。