【御立尚資】カナダに学ぶ。技術・ビジネス・人材が集まる都市の条件
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御立尚資さん、初めてインタビューさせていただきましたが、博学でユーモラスで分析が鋭い。カナダのエコシステムの特徴をずばりと言い当て、それが江戸時代の日本のシステムとつながったときは膝を打ちました。
先週公開した暦本純一さんのインタビューがカナダのAIサイドだとすると、今回はBusinessサイドです。とはいえ、お二人からうかがったカナダの印象は、共通するところがかなりありました。合わせて読んでいただき、未知なるカナダの風土や文化を感じていただけるとうれしいです。
両インタビューを再構成し、本企画のアドバイザーとして併走していただいた在日カナダ大使館・徳永陵さん激アツインタビューを追加したプレミアムブックレットを鋭意制作中。記事末にカナダ大使館への問い合わせメールアドレスを記載していますので、研究・人材・企業が循環するカナダの産業エコシステムに興味を持たれた方、自社のビジネス拠点として検討してみたいと思われた方は、問い合わせてみてください。
ひとつ気になっているのは、暦本さんはエドモントンのパンが一番うまいと言い、御立さんはケベック州のモントリオールのパンがうまいと言う。はたして、どっちなんでしょうか。御立氏のカナダに関するコメントを初めて拝見したのは「ミライの兆しの見つけ方」という著作でした。その中で、カナダはお雇い外国人の使い方が上手である趣旨の書き方をされており、大変鋭い指摘との印象を持ちました。今回の企画では、暦本氏とは異なるアングルで、しかし同じ核心をつく形で、カナダについて語って頂くことができました。宇野Chief Editorには、両氏の多岐にわたるお話を鋭く纏めて頂きました。
総じて言えば、米国を少し離れたところから俯瞰する目を養ってきた「周辺性」の自己認識から、基礎研究や人材に社会全体として投資をする、そういった風土のある国との連携に、日本のビジネス界にとっての面白いチャンスがあるのではないか、そんなことを思っています。カナダは寒く(籠もりがち)、資源が一部地域で豊富で(カネはある)、移民が多く、安全保障上の脅威が良い意味で少ない(ただし、サイバーセキュリティの危機感は極めて高い)という意味で、ITイノベーションをするのに向いている条件を備えていますね。似たような国として、スウェーデン、フィンランド、ロシア、エストニアなんかも入るでしょうか。
これから温暖化していくと、ますます経済的な条件は向上するでしょう。
私も江戸時代みたいに地方で私塾でも開こうかな。
因みにリチャード・フロリダ的には、技術・才能が集まるには、以下の三つの多様性指数を合成した合成多様性指数(CDI)が、クリエイティブな都市の形成に重要とのこと。
①メルティングポット指数
移民の地域別集中度
②ゲイ指数
ゲイの地域別集中度
③ボヘミアン指数
作家、デザイナー、ミュージシャン、俳優、映画監督、画家、彫刻家、写真家、ダンサーなど芸術を職業とする人口の比率を測定したもの
私は埼玉のパンが好き