【読書】経営のヒントは、最先端より「過去」にある
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表現は一部抽象的なものの、3つの指摘には頷かざるを得ない。いずれも組織の落とし穴とも言える。
1.飛び道具トラップ→経営手法や特効薬に飛びつき、導入が目的化し、本質の理解と自組織や事業の特性を認識せずに中途半端に終わり、次の流行りの手法に飛びつく。
2.激動期トラップ→そこにいる人間の本性についての理解や洞察が疎かになり、速度の差に鈍感になってしまう。
3.遠近歪曲トラップ→実情を把握せずに欧米企業や著名企業が取り組んでいるからと言って、植民地的な心理的劣等感を持ってしまう。また昔は良かったとの懐古主義も。
過去を振り返って現状を見ると、3つのトラップは時代を超越している国民特性ではないかだろうか。
TQC、TPS、BPR、コンピテンシー、OKR、心理的安全性、ティール組織等。
そう言えばガバナンスの分野でも「第三者委員会」が深層要因を避けるための飛び道具、逃げ道具になっていないだろうか。激動化トラップで強調されている「人間の本性についての理解や洞察が疎かになっている」ならば、歴史は繰り返すであろう。
注目のコメント
遠近歪曲トラップは時間軸上でも起こる、昔のことほどよく見えて、今の現在進行中のことは、深刻に見えるバイアス。これはすごくわかります。過去のことが記憶や情報が曖昧になると美化されてしまうのもあるのかと思いますが、日常の会話ですら「昔はこうではなかった、今はやりづらい、今は大変だ、むかしに比べて…」といったことばもよく出てきます。
最先端を学び未来に向けて前を向いて考えていく一方で、過去にさかのぼり、歴史から読み解き学ぶことも多々あります。
タイムマシンで過去へ…バイアスかからずに過去の解き方、真実を読み解き過去から学ぶという時間も必要ですね。シリコンバレーや中国などの最先端事例からヒントを得ることも大事ですが、より地に足のついた、現実的な問いや学びを与えてくれるのはいつだって先人の経験や過去の事象です。
そんな「原点」に立ち返ることを改めて継承しているのが、楠木さんらが提唱している「逆タイムマシン」経営論です。バズワードに安易に飛び込まないことなどは特に意識したいですね…!