中国、定年延長を検討 「孫の世話できない」と不満噴出
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国全土で定年を一律にしているところが、中国らしいですね。さすがの中国も子が親を養うという儒教的価値観が少しずつ薄れ始め、また一人っ子政策のおかげで、日本ほどではないにしろ、少子高齢化も進んでいるのでしょうか。
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中国文化圏(香港・台湾含む)は「老人は働いてはいけない」と考えている社会です。高齢者が働くことは息子の面子を潰すことと考えられ、忌避しようとする規範が強く働きます。
他方で日本の三歳児神話のような迷信とは無縁で、母子密着規範がないので、乳飲み子をおいて母親が出稼ぎに出ることには寛容です。したがって中国文化圏での女性の年齢別労働力率のグラフはまったくM字型にならず、日本で一番低い30代が、労働力率のピークとなる一方で、日本では高くなる50代以降で急に低くなります。
私の専門分野ですので、詳しくお知りになりたい方は『ジェンダーとセクシュアリティで見る東アジア』(勁草書房)をご参照ください。中国は共働き、出稼ぎ夫婦も多く、娘息子夫婦にしっかりと稼いでもらい、祖父母が孫の面倒をみるモデルなので、不満の声はごもっともかなと思います。
上海で働く友人夫婦も、田舎からわざわざ定年退職を迎えた祖父母が出向いて上海で一緒に生活をし、子供の面倒を見てくれているそうです。
保育園もあるにはありますが、全く足りていないので、夕方、夜まで子供を預かってくれる保育園の整備が必要ですね。
これだけでもハードル高いですし、その保育園の費用もかなり安く抑えないと親が払えないので問題解決はなかなか難しそうな気がします。定年のような基盤となる制度があると、それをもとに人々の生活パターンが出来上がります。次の最適化に向けて、全体のバランスをどうみるか。中国も高齢化待ったなしでしょうか。あるいは是正できるのか。
「反対の理由の一つが、祖父母が孫の世話をすることが多いことだ」