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「なぜ自分が撮ってしまったのか」 津波を生中継した元NHKカメラマンは 今も葛藤の中で生きる

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    いま上映中の「すばらしき世界」にこんなシーンがあった(ネタバレ注意)。

    更生を目指す元受刑者のドキュメンタリーを撮っているジャーナリストが、元受刑者が喧嘩する場面に出くわす。元受刑者は本性をあらわにして相手を叩きのめす。あまりの凄惨さにジャーナリストは逃走。追いかけたプロデューサー役の長澤まさみから、こう罵られるのだ。

    「撮らないんなら、あいつを止めなさいよ!
     止めないんなら、撮って人に伝えなさいよ!
     あんたみたいなのがいちばん何も救わないのよ!」

    「当事者として行動するか」、「傍観者として伝えるか」の二項対立でとらえられがちだが、現実には「逃げる」という選択肢もある。本人には何の慰めにもならないだろうが、逃げずに撮ったことは、きっと誰かの救いになったのではないか。


注目のコメント

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    メディア・コンサルタント フリーランス

    自分もテレビ局に入社して最初に配属されたのが報道カメラでした。ちょうどフィルムからENG「ビデオカメのこと)に切り替わる時期でした。空撮もずいぶんやりました。だからこそわかるのですが、あの津波の映像を撮ってしまったことによる葛藤はとんでもなく重いもの、第三者には想像もつかないほどでしょう。しかもその後でさまざまな賞などをもらってしまうと、その葛藤はさらに心を蝕んでいきそうです。
    なぜオレだったのか、そんなものに答えはありません。時の運(不運)でしかありません。しかしその葛藤を乗り越える方法は千差万別。彼はアートの世界に移りました。それが適切だったのかなどもどうでもいいことです。彼が生き延びるために選んだ道です。生きることこそ最も大切です。


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    毎日新聞 客員編集委員

    写真を撮るはtake a picture 。動画を撮影するは、Shoot a video。写真は「取る」ことであり、取材も「取る」という生々しい行為です。そして、動画は「撃つ」。まさに対象を射抜く行為だとも言えます。ジャーナリズムの最高の栄誉に輝いた彼が、福島で暮らしていることを初めて知りました。それほど重い体験だったのだと思います。毎日新聞の記者も、たまたまフライト中に大震災が発生し、津波が街を襲う瞬間を撮影し、スチール写真としての最高の賞に輝きました。毎日新聞記者の場合、燃料が切れそうになり、仙台空港も使えず、まさに命からがらの不時着、電波状態が悪くて懸命に送信できる場所を探し回り、世界中の新聞の一面トップを飾ることができました。決して「安全」な場所ではなかったことに、むしろ救いがあったのかも知れません。
    撮るべきかどうか、は永遠のテーマです。ベトナム戦争の写真報道や、94年のピュリッツァー賞受賞のケビン・カーター氏の「ハゲワシと少女」でも議論になりました。カーター氏は受賞後、「少女を救うべきだ」と批判され、様々な事情もあったようですが、受賞の3カ月後に自殺しました。


  • 日系メーカー海外販売会社 代表取締役

    震災の映像記録は非常に貴重だと思います。災害映像記録が多いことこそがNHKの一番の価値だとさえ思います(にしても割高ですが)。

    その場面で救助の一助にならなくとも、あの映像をきっかけにボランティアに参加しよう。寄附しよう、助け合おうと大勢の人達の心を動かし、結果として多くの人を助けたでしょう。私も中期ボランティアに参加しました。
    また、世界中の人が津波の恐ろしさを認識し、将来の世界中の津波被害を抑えることにつながっています。


    ジャーナリズムの葛藤について、知っている有名な話を一つ添えます。
    1994年に「ハゲワシと少女」の写真で、ピュリッツァー賞 を受賞したケビンカーターは、受賞から1カ月後に自殺しました。
    死肉を好んで食べるハゲワシが、今にも飢え死にしそうでうずくまっている少女が死に絶えるのを待っている場面。スーダンでの、内戦や干ばつに苦しみ多くの子供が深刻な飢餓状況にあった現実を撮った写真です。

    「写真を撮る前に、少女を助けるべきではないか」ニューヨークタイムズにこの写真が掲載されるとそんな批判が相次いだようです。(少女は写真の場面の後、難民避難所になんとかたどり着いていたらしい)ただし、世界に現実を伝えるのがカメラマンの仕事だという肯定派との二つに意見は割れたようです。
    受賞後のケビンカーターのコメント(撮影時の様子や葛藤など)はネットで探せるので、興味があれば調べてみてください。

    この話を知って、私はこの年の日本とスーダンの貿易を調べましたが、現地で食用されている穀物のソルガムが同年600t以上も日本に輸入されていたことがわかりました。しかも日本の家畜の餌として。酷い話です。
    ジャーナリズムという信念に基づいたケビンカーターの行動よりも、無知と無関心により引き起こされる悲劇の方が、より深刻で罪深いものだと思い知ったものです。


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