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売上高は$262MM(前年同期比+1%)。事業モデルをサブスク化している過程のため、連結売上高はほぼ横ばい。Q4 2020時点で継続課金売上比率は67%まで上昇。
連結売上高$262MMのうち、継続課金売上は$176MMで前年同期比+10%。継続課金売上の中のSaaS売上高は$74MMで前年同期比+58%成長。
継続課金売上に含まれるのは、SaaS, software term licenses, support, professional services subscription and hostingとのこと。
2020年末時点のSaaSのARRは$343M(前年比+54%)。また、SaaSのNRR(Net Revenue Retention)は120%(かなり高い)。また、SaaSのバックログが$1BNあると会社は発表しています。
既存サービスをサブスク化して(今のところ)成功していることが非常に高い価格の背景にありそうですが、Q4 2020年の継続課金売上を年換算した$704MMの約10倍という価格はしびれます。
まあ、アメリカ上場企業のB2B SaaSのPSRが15倍強まで上がっている状況なので、SaaSだけの価値でも$343x15倍=約5BNはあり、サポートやプロフェッショナルサービス等のSaaS以外にも継続課金売上があるので、合計して7千億円は合理的という判断なのかもしれません。
日本企業全体でいくら金余り時代に入っているとはいえ、パナソニックとなると少し話が変わってきます。
手持ち資金から有利子負債を差し引いたネット資金がここ数年マイナスで推移してきたパナソニック。もし本当に7000億円を借り入れなどでまかなうとなると、バランスシートがブクブクに肥大化し、同社を含めた電機メーカーが経営危機に陥ったという、いつか歩んできた道をたどるリスクが高まります。
本気で完全子会社化するのであれば、それに必要な資金調達をどうするか、株式交換なのか、公募増資や手持ちの事業売却を含めて自己資本でねん出するのか、気になるところです。
ちなみに日立製作所は、スイスのABBのエネルギー猛事業を7000億円超で買収する前に、事業や子会社を売却することで、バランスシートの肥大化を最小限に抑えています。ソニーはイメージセンサーなどに巨額投資する際、公募増資によって資本を調達しました。
同規模の会社が、4000億程でした。
しかし、ブルーヨンダー良い会社だと思います。
成功を期待しています。
あと、ハードを導入後に内部のソフトウェアライセンスと保守で継続的に価値を提供するモデルを構築するというのはもちろん良いので、そのために優れていて時流の先にあるソフトを手に入れるのも良いですね。
バリュエーションの適切さは専門じゃないのでわからないですが。
以下は記事の抜粋。
>業務改善システムは米プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)や独DHL、米スターバックスなどが導入している。
>電気自動車(EV)最大手の米テスラも顧客の手に渡ってからもネット経由でソフトをアップデートし使い勝手を高め、顧客の支持を集めている。
課題はブルーヨンダー内部の方々のモチベーションな気がします。これは偏見は完全にあると思いますが、日本企業のPMIの問題の一つに企業のカッコ良さやグローバルトレンドへのリスペクトみたいな部分のプライオリティが低いところがあるように感じます。世界最先端のエンジニアを惹きつけるイケてる感じの演出は大事かも、と感想をもってます。
【パナソニック、米ソフト会社に20%出資 自動発注など支援】
https://newspicks.com/news/4920950
投資額は7000億円で調整中だそう。その金額であればパナソニックにとって過去最大級のM&Aになります。
でも、積極的な姿勢はすごい。あとは、これがうまく行かなかったときの絵をどう描いているか。リスクの取り方の進歩もあるとさらにすごいと思うのですが。
「モノの売り切りが主体だった製造業のビジネスモデルが変わり始めた」
問題はパナソニックはどのぐらい外資企業を制御できるか。
さらに大型買収によってほんとうに経営に寄与するのかは不明。
少なくとも1991年に映画大手の米MCAを7800億円で買収したが、ガバナンス(企業統治)につまずいた前例があり、
さらに三洋電機の買収も成功したとは思わない。
パソコン部門を持っているが、プラットフォーム関連のIT能力は強くない。