【ニュース解説】半導体TSMC、日本進出が「すごくない」理由
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注目のコメント
TSMCは昨年みなとみらいにデザインセンター(製品をファウンドリー工程に合わせて設計する拠点)も開設していますね。TSMCのデザインセンターは台湾だけでなく、アメリカのサンノゼ、オースティン、サンディエゴ、カナダのオタワ、中国の南京と上海に立地しており、その後に日本に設置したというのは興味深いです。エンジニアのリクルートも盛んに行っているようです。
https://www.tsmc.com/static/english/careers/designCenter_Japan.htm#brick-JDC_recruitmentSession
日本は外資系の研究所が少なく、ある意味優秀なエンジニアを「安く」雇える国になってしまっているところもあります。国の産業振興等の観点からは、良くない状況であると思います。自分は楽観も悲観もしていない。
記事にあるように前工程が回路自体を司るので重要であることは変わりないし、市場規模も大きい。一方で、積層のような後工程技術の重要性は再度上がってきている。これは当初報道からコメントしている通り(①)。
TSMCが後工程で特に力を入れているのはInFOという技術。ただこれについては記事にあるTSVのコストやチップサイズ制限などを超えるための技術としてInFOを開発しているという認識(②)。今からTSVにいくのかなぁとは思っている。
ただ、後工程、なかでも3次元実装についての記事が出てきていることは嬉しい。結構当初報道だと3DNANDに代表される前工程の3次元化とゴチャゴチャな記事が多かった(今は記事修正されていて良かったが…)。
InFOについては昔から追っていて、③なども。そして後工程と言えど微細なので、露光装置も使われる。キヤノンが最先端がEUVのなかでi線の新商品を先日発表した(④)が、こういうパッケージング需要を狙ったもの。
①https://newspicks.com/news/5513717
②https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/semicon/1065205.html
③https://newspicks.com/news/1783452
④https://newspicks.com/news/5628709TSMCと言えば、台湾の宝と言われる半導体企業。その開発拠点(工場)が日本に作られるというニュースが先月、飛び交いました。その実態について、「大喜びするようなものではない」と、ジャーナリストの中島さんからの寄稿です。
なおTSMC自体は絶好調で、売上高は455億ドル(約5兆円)であり、営業利益率は42.3%と、もはや製造業とは思えないレベルです。長年の顧客である、アップルより儲かるファウンドリービジネスは、市場シェアで50%以上にのぼります。