なぜ課題解決には、市場調査より「想像力」が必要なのか
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太田 私が進めているウェルビーイングな街づくりの取り組みでは、アイデアを出すときは、「自分が嫌なこと」「うれしいこと」を思い浮かべるワークから始めます。
「市場分析でこういうデータがあるから〜」と頭でっかちに考え始めてしまうと、現場が求める形から、どんどん離れてしまいます。
有山 市場調査に頼りすぎるのも、危険ですよね。あくまでも市場調査は、すでに出現した事象を表面的に調べるためのもの。そこから現場の深い課題は、浮かび上がってこないと思うのです。
むしろ、私たちに必要なのは「想像力」。「私がこの立場だったら、こうしたいと思う」と、想像できる力です。個人の「こうありたい」を形にしていくことが、結果的に社会全体の「こうなりたい」につながるのではと。
注目のコメント
記事の中で「野武士」と言いましたが、組織の枠に捉われずに「越境」して活躍している人材が昔から多い企業だと思います。他方で、行政システムを「ロックイン」しているベンダーとして名前が挙げられる企業でもあります。
今回、有山さんと対談させていただいて、組織の枠を越えてイノベーションを起こす場を、企業として作っていく可能性を感じました。働き方、オープンソースや知財の位置付け、マネタイズなど、一つ一つクリアした先に拓ける未来が楽しみです。昨年7月に新設された、富士通の「ソーシャルデザイン事業本部」。今まではバラバラだったDX事業を一元化させ、プロダクトアウト的な発想ではなく、生活者の視点からの社会課題を解決する事業部です。
本部長の有山俊朗氏さんと、地方の課題を、住民を巻き込みながら解決しようとする太田直樹さんが、これからの課題解決に求められる「パーパス」の必要性を語りました。
印象的だったのは、「実は富士通には、こんな課題や悩みがあって...」と、有山さんが等身大にお話ししてくれたこと。巨大な企業になるからこそ、失われがちな生活者視点。それを本気で取り入れようと変わっていく、覚悟のようなものを感じました。「何のために働いていますか?」が、とても心に響きます。
成功している会社の共通点は、企業のパーパス(存在意義)と従業員一人ひとりの「あり方」と「なりたい自分の成長」の方向性が一致していますね。
同じ方向へ向かった時のパワーは、絶大なる創造性と可能性を生み、「企業が社会を良くするチカラがある」とは、そういうことだと痛感します。