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シーア派のイスラーム学者の中では現代では頂点に立つとされるシスターニーと教皇の会談は、あくまで「私的な訪問」とされました。シーア派の中心地ナジャフに居を構えるシスターニーに比べれば、イランの最高指導者ハメネイなどは、イスラーム学者としての格はずっと下がります。
 カトリックとしては、シーア派との距離の取り方は難しいところです。イランと対決しようとする米国、サウディアラビア、イスラエルを牽制しつつ、シーア派に肩入れし過ぎる訳にもいきません。イラクでマイノリティとして生きるキリスト教徒を守らなければなりませんが、近年非常に苦しい立場にあったキリスト教徒の感情に配慮しつつ、シーア派の歓心を買わなければなりません。
 教皇のイラク訪問のハイライトはウルでの多宗教合同祈禱ですが、ジグラートでやるのかと思ったら、「アブラハムの生家」とされる遺跡(根拠はなさそうですが)でやるのですね。ハイライトの場所は、ナジャフというわけにはいかず、考慮を重ねてこの場所になったのでしょう。
 ウルなどは宗教的には印象が薄く、無味無臭に過ぎると思うのですが、モスルにあるイスラーム国に破壊された預言者ヨナの墓などだとメッセージ性が強すぎるのでしょう。教皇はナジャフもモスルも訪問するのですが、ハイライトはウルでやる、ということですね。