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(転載)
中小企業の定義は法律によって異なります。ここで言う税制優遇を受けるための中小企業は税法上の中小法人のことで、かつこれも税法でも複数の考え方がありますが、資本金が1億円以下であることが税法上の共通の要件です。
中小法人には様々な優遇制度がありますが、特に大きいのが欠損金の繰越控除制度です。過去に発生した欠損金(赤字)がある場合に、中小法人は発生した所得(黒字)の全額を充当できるのに対して、大法人は所得の50%しか充当できませんので、残りの50%には必ず法人税が課税されます。
続いて影響が大きいのが外形標準課税制度。こちらは所得が発生していなくても、単年度の所得に支払った人件費、地代家賃、利息、を加算して計算する付加価値割、資本金等に対して課税がされる資本割が課税される制度です。逆に所得に対して課税される所得割は税率が低くなりますので外形標準課税で必ずしも税負担が大きくなるとは限りませんが、赤字会社は外形標準課税が適用されると税負担が大きくなります。
また、資本金の金額というものは実態としてほぼ意味がないです。資本金が大きいから安定しているなんてことはほぼありません。減資と言うとキャッシュアウトが伴う印象をもつ方もいますがそれは有償減資であって、いわゆる減資自体は無償で出来ます。単純に決算書の純資産の部の中での区分が変わるだけです。強いて違いを言えば資本金からは配当ができないですが、減資後の剰余金からは配当が出来るくらいでしょうか。
税金の負担を減らすことが出来て、配当に回すことが出来ると考えれば投資家としてはメリットしかないと思います。
更に中小企業基本法の中小企業(税法の中小法人とは全く定義が異なります)に該当する場合には、中小企業のための補助金制度も使うことが出来るようになったりとこれもメリットしかないです。