武田薬品、米モデルナのワクチンを週内に承認申請へ
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モデルナのワクチンは、ファイザーのものと非常によく似たワクチンで、「mRNAワクチン」と呼ばれる種類のワクチンです。
ファイザーとの大きな違いは、接種間隔が3週間ではなく4週間とされている点です。これは、臨床試験の段階でそのように計画されたからという理由が大きく、それ以外の特別な意味があるわけではありません。
ファイザーとモデルナのワクチンで違いはありますか?というご質問をよくいただくのですが、「コーラとペプシの違いのようなものです」とお答えしています。
ラベルやよく成分を見てみると違いがわかるかもしれないが、飲んでみてもよくわからない。それぐらいの違いではないかと思われます。米モデルナ製のワクチンは、日本では、武田薬品工業が臨床試験を担当しています。2020年10月29日の報道では、「2021年前半より5,000万回の接種分を輸入し、日本において供給する予定」とのことでした。
さらに、2021年1月21日には、「国内での臨床第1/2相試験(臨床初期~中期試験、成人被験者200例を対象)に、安全性および免疫原性を評価するプラセボ対照試験を開始、最初の被験者に治験薬の投与が行われました」とプレスリリースされていました。この臨床試験は、臨床的な有効性の代わりに「中和抗体活性」で評価するという試験デザインと思われます。おそらく、この臨床試験の成績をもって、臨床第3相(後期試験)を外国のデータと「ブリッジング」して、有効性、安全性を検討することになるのだと思います。
今回、「週内に承認申請」とのことで、「あれ、日本の臨床試験は実施中のはずだがどうなった?」と思い、記事の内容を確認しましたが、やはり実施途中の段階のようです。
記事からは、「米国での臨床試験部分を『先に』審査しておいてください。日本のデータは審査中に提出できる見込みですので、追ってよろしく」という意味にとれます。先行のファイザー社、アストラゼネカ社は「日本での臨床試験実施後に特例申請」を出しています。今回の記事通りだとすると、モデルナ製ワクチンでは「日本での試験結果がまったくなくても審査を開始する」という解釈になります。厚生労働省が公式にこの扱いをするのであれば、おそらく前例のない進め方ということになり、極めて特例的な扱いとして、注目に値します。
仮にそうだとしても、現在臨床試験中の医薬品として、臨床試験成績がない段階での「企業による、時期を指定した(5月中に承認取得を目指すとの)見込み発表」には違和感があります。ワクチン会社が少なく供給も限られていると会社側の交渉力がどうしても強くなってしまう。そういう意味ではモデルナにもJ&Jにも期待している。
特にモデルナは1/6で既にEUで承認されていてアメリカにも供給が始まっている。製造は1/4の段階で2021年中に6億回分を製造する見込みが2/26には7-10億回分に見込みを上方修正している。
https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-vaccines-moderna-idJPKBN2991RD
https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-moderna-idJPKBN2AP25C
またファイザーも製造計画を13億回→20億回にUPさせているし、アストラゼネカも4月までに月間2億回の製造体制を目指している。なのでその3社だけで推定40億回分(20億人分) あと中国・インド・ロシアは自国のワクチン製造している。世界人口75億人くらいいるが、アフリカとか若い人が多く流行もしれているとかを考えると全人口分は必要ないはずで、早ければ2022年には供給過多になる可能性すらあるからワクチン会社としては早い段階でドンドンと製造して稼げる間に稼ぎたいってなってきてる気がします。
そういう意味では複数の会社が有効なワクチンの開発に成功して良かった。