女性起業拡大へVC動く ANRI、投資先の2割配分 多様性で収益伸ばす
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海外のESG投資やインパクト投資の文脈では、2014年くらいからGender Lens Investmentという分野で、「女性」に限らず、LGBTQを含む様々なジェンダー差別の対象にある投資先への投資を進めてきています。
その中にあって、ようやく2割を表明する、独立系VCが一社現れた、というのは、周回遅れであることは否めません。手放しで、喜ばしいと言える部分もあるかもしれませんが、もはや海外の議論はもっと先に進んでいるので、ジェンダー投資に対するリサーチの遅れは10年近く開いている印象を持ちました。
特定の産業への投資や、投資数や投資金額を数値設定をして増やす、ということだけでなく、なぜ「女性起業家」が投資対象として成立しにくいのか、という根本原因に対して訴求すべきだと考えます。そもそも、「投資で伸ばす」というものに対応しにくい事業である可能性は高く、そのような事業に無理に投資家が投資をつけても、意味がありません。投資よりも、事業連携や多面展開などのスケールアップの仕方の方が向いている事業も多々ありますし、スピードもVCの投資を入れて伸ばせばいいっていうものではないものが多々あります。
猫も杓子もスタートアップ には投資、ではなくて、戦略的な資金調達方法の一つとして、ジェンダー関係なく選択できる、という状態になるようにするにはどうあるべきかを考えることが必要だと思います。
女性参画に関する数値目標は、形骸化したり、達成することを目標としすぎて、不幸な投資が生まれないといいのですが・・・。
注目のコメント
私自身、女性起業家として5年間活動してきて、様々なピッチコンテストにも参加して来たが、確かに女性起業家は非常に少ない。
起業直前の時でさえも、自分が起業家として会社を経営出来るという自信が全くなく、経営やファイナンスの分野は、男性が得意な分野、男性しかいない分野、という認識だった。正解がない分野では、男性と腹の底で分かり合えないと形骸化したコミュニケーションばかり横行し、男性からの実質的な協力は得難いと感じていた。
そしてそれは残念ながら事実である。
本当は相手のために伝えた方が良い情報だが、もし万が一漏洩した場合、情報を伝えた側がリスクを取らなければいけない様な情報は、同じ感覚を持った人間にしか言わない。リスクが大きい割にベネフィットが小さいからだ。
私が過去にいた理系分野でも女性がほとんどいなかったが、物理法則と物理定数のみが支配する世界で、男女の性別関係なく、対等に議論できた。
それと比較すると、今の経営/ファイナンスの世界で感じる、周囲の男性から根底で信頼されていないという感覚は、理系分野にいた時とは比べ物にならないくらい強い。「こいつは何をしでかすかわからない」という私や女性に対する恐怖心だ。
また、重要な意思決定や相談をする際に、正式な会議で共有される情報のみで判断せず、信頼できる人間のみで閉鎖的に決めたい、という人間の防御本能が働いた時に、よほど信頼されていないと女性はそこに参加できない。本来うまく活用すべき会議体による意思決定プロセスが形骸化すると、最終的に組織や事業の俯瞰が困難となりリスクが誰にも把握しきれなくなる。
人間の本来もつ不信感や恐怖心の克服は、自身の努力以外ではどうにもならないので、議論を通じて意思決定する事に価値を置くVCと起業家を共に増やさないと、いくら今の日本社会で女性起業家のみを集めても、女性にとって不利な状況であり続けると感じる。記事中に、女性起業家が増えない要因として、BCGが挙げている3点は、
(1)VCなど投資家が女性起業家に対し事業に無知だという偏見を持っている
(2)男性起業家が自身を売り込みすぎている
(3)男性投資家が育児や美容など女性起業家が多い事業領域を理解していない
だそうです。
特に3は興味深く、よくわからないから支援しないというのは、女性VCを増やすことである程度カバー出来るだろうと思いつつ、一方で、事業に対するもう少し広い理解の仕方をスキル化していくことによって、誰でも適切に支援が可能になるということも大切ではないかと思います。女性起業家としてあえてコメントするなら、
女性起業家自身が「女性だからできない」と思っていることも要因だと考えている。
男性社会だから。論理的じゃないから。妊娠・出産があるから。
女性起業家は、"言い訳を並べやすい"立場にある。
女性起業家を取り巻く環境以上に、
これも大きな課題だと思っている。
(男性は嫁ブロックがあるから、子供が生まれたから、と言い訳をしない)
かくゆう私も、子供を妊娠した時に、身籠った自分を責めた。
https://note.com/abalab/n/n7296c62e4325
女性である以上、どうしても"女性であることに"、戸惑い、悩む。
もっと女性起業家同士で、ライフイベント含めて気軽に話す場が欲しいなと、改めて思った。