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NewsPicks編集部のオリジナルニュース連載。いま知りたい注目ニュースを、わかりやすい解説や当事者インタビューなどでお届けする。
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三越と伊勢丹が経営統合。百貨店事業を中心に不動産、カード事業、EC事業も手掛ける。基幹店の構造改革、支店・地方店・海外店・中小型店のビジネスモデルを再構築で収益回復を目指す。ニッコウトラベルを完全子会社化するなどシナジーの高い飲食、旅行、理美容に特化し育成。
業種
百貨店
時価総額
9,909 億円
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杉江社長が社長に就任した2017年頃小売業は、アマゾンに全てを奪われるのではないか!と言われた時代でした。でも今や、コロナによって様々なプレイヤーが様々な販売チャンネルを使って販売することが当たり前になりました。
消費者に求められる強いプロダクトと、コミュニティが売り手にとって大きなアドバンテージになる時代です。
百貨店には、百貨店でしか扱われないような一点ものや高額な商品が多くあります。アマゾンや楽天でさえも、ラグジュアリーブランド全てを常時マーケットプレイスに乗せることはできていない中、百貨店がこれまで培ってきた上質なものづくりをするブランド側との関係性は、強みです。
それは以前からそうだったわけですが、ある意味、百貨店の基本に立ち戻るということなのだと思います。
百貨店は終わっていると言われて久しいですが、不採算店舗を整理し、適性な店舗数とオンラインが繋がる接客が構築できたら、大量生産で作られた中価格帯のブランドが多く入る駅前ショッピングセンターよりも、もしかしたら有意なのかもしれません。
昨年のうちに進行中の3ヶ年計画をご破算にしたわけですが、日本企業に固有の3ヶ年の中期経営計画、略して「中計」が日本企業を近視眼的な経営に走らせ弱らせている根源のひとつです。
たしかにコロナで百貨店の業績も青色吐息。でも、お金はしっかりありますし、何より今回の業績悪化はリーマンショックなどの金融危機によるものでもないし景気後退によるものとは異質。感染拡大を防止するために国が人為的に経済を止めたにすぎません。
だいたい陳腐化した百貨店のCXが求められているのにサラリーマン社長を2期4年でコロコロ変えて、3年の中計で百貨店の未来像を作り上げることなんて、そもそもムリでしょう。
業績、株価を安定的に上げ続けているグローバル企業は例外なく長期政権です。だからこそ腰を据えて、描いた10年度、30年後の長期ビジョンを実現するための手を打てるというものです。
散々すったもんだの社長交代ドタバタ劇を演じた割に中途半端な状態でもう交代では、社員も「やってられない」となっているのではないでしょうか。
伊勢丹新宿店は私も好きな百貨店でしたが、今も行って胸踊るのは地下の食料品フロアくらいでしょうか。
これに負けじと、ウォルマートも会員制度をスタートしました。有料にしてどれだけ使われるかですが、会員限定のサービスを拡充しています。
スーパーですら顧客のエンゲージメントを高めるために会員制を採用している。百貨店にそれができないはずはないと思います。
カードで差別化しているという指摘があるかもしれませんが、単にそれは割引率が高くなるとか、ポイント付与率が高いというだけ。それだけでは顧客ニーズに対応しているとはいえません。
もっと抜本的な顧客目線でのサービス改革が必要ですね。
リアルな場の価値を体験価値として捉え、別ビジネスに広げていくことも重要な視点です。例えば丸井さんは店舗ビジネスでの収益化ももちろん重要ですが、それ以上に体験を通じてエポスカードに入会してもらって収益につなげることを大事にしています。
今後変わりゆく百貨店という場がどうなっていくか、どう活用されていくか楽しみです。
福岡出身の人間として、応援したいと思います。
自分の若いころ、2000年前後の天神は、岩田屋Z―SIDEがオシャレな百貨店として君臨し、西鉄福岡駅の上に新たに三越が出来た時期でした。西通りに向かう多くの若者を取りこみ、遊びの時間の多くが百貨店での回遊に費やされていました。
あの頃のような、遊びの時間=回遊の文化を取り戻してほしい。そしてリアルとデジタルの融合で新たな価値を創出してほしい。
若かりし頃の福岡天神の思い出と、コロナ禍で客足の減った銀座三越の光景。そして昨日で幕を閉じた恵比寿ガーデンプレイスの三越の最後の雄姿。色んな情景が重なって、百貨店は強さを取り戻してほしいなと思いました。
リアルを武器にDXを強力に進めるウォルマートのように、頑張ってほしいです。
かつては、百貨店を訪れることがエンターテイメントだったのだと思います。
ショッピングモールは、低層で見通しがよく、駐車場もグランドフロアにあり、少ない労力で多くの店を見て回れ、子どもを遊ばせるスペースなどもあります。
徹底したユーザーフレンドリーで、そこを訪れることそのものの体験に価値がある場所。
そして、そういう場所だからこそ、頻繁に訪れ、目的のもの以外もついでに見ていこう、となるのだと思います。
百貨店は、ファミリー層には手を出せない高価格帯と特別な接客をしてもらえる「敷居の高い場所」というイメージでブランディングをしてきた結果として、現在があるのだと思います。
何でも揃う、という意味で「百貨店」だったはずですが、品揃えではネットには敵いません。
向かう方向は、ハイタッチ、つまり、富裕層向けのビジネスなのですね。
確かに、多くの客を取り込むことは、ショッピングモールには敵わないと思います。
ハイタッチ層を取り込み、宅配などに繋げていく。
確かに、敷居の高いブランドイメージを維持したまま、効率のよい宅配などにつなげれば、お客を囲い込めるかもしれません。
ただ、私にはイマイチイメージができませんが、富裕層の方はどこで買い物をしているのでしょうか。
自分が唸るほどお金を持っていたとして、やはり、地下駐車場に車を止めてエレベーターで移動しなければいけない百貨店では、買い物をしないようにも思います。
高収入・高購入とは言っても、モノを【買う】ことでは、一定期間では限度があります。
外商を軸にハイタッチ層へアプローチし、利益基盤のひとつにするといっても、駅前近くの好立地で入っていたテナントもコロナ禍で売上は伸びず、家賃収入も厳しく、とても外商だけで、自社従業員を食べさせられるとも思えません。
ハイタッチ外商による収益確保と、やはり、店舗を通じて、【リアル体験を通じて手にする】ことの愉しみを再度掘り起こしてくれる事をみてみたいと感じます。