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(1) 透明性を高める
日本は世界から周回以上遅れているという印象を持ちます。例えば、世界の医学研究の領域では、「利害関係の可能性のある資金提供者」として、製薬企業や医療機器の企業の名称を公表論文に正確に記載しないと審査が通りませんが、知る限りこれを1990年代以前から実施しています。実力があれば、10~20社ほども資金提供者名が論文中に並びます。
領域によっては莫大な資金が必要なので研究費の提供は喜ばしいこととして歓迎されます。他方、「情報の信憑性」を判断するためにに役立ちます(透明性の確保)。基本的に、基本的に研究資金の提供者は「賞賛」されています。この点の考え方や透明性の確保の方法については、日本は20年~数十年遅れています。
(2) 先端技術の海外流出を防ぐ狙い・・・
実効性が乏しいばかりでなく、「『研究とは何か』ということを知らない関係者の妄想」とみられます。そもそも大学などが取り扱う研究成果は、世界の同領域の研究者により相互確認(査読と言います)を受け、世界中に「公表論文」という形で発表されます。つまり、その論文で公表された時点で秘密ではなくなります。この点で、優れた研究成果は国家機密とは対極の位置づけにあたります。世界の大学・公的研究機関はこのような形で、世界共有の財産の形成に貢献しています。
(3) 研究者による先端技術の流出とは何か
学界は、「先端技術を世界に提供し、科学の発展のために活動」をします。しかし、現に政府内・企業内の「研究者」「委員」として知り得た機密を外国に提供して協力するケースについては、問題でしょう。しかし、もはや研究活動ではなく、研究の形態をとる「契約上の利益供与」にあたりますので、それを抑止することは、利益を供与した方と研究者で取り決められる内容だと思います。
民間の研究所の話であれば、研究者の自由意思による働き先はおそらく制限できません。「日本が研究費を負担するのは嫌だ」というセコイ話なら、すでに研究費を受け実績を積んでいる海外の研究者を招聘すればよいでしょう。日本の研究環境がよければ来てくれるでしょう。
日本は国防意識が希薄で、政治家等が外国スパイのハニートラップに引っかかったりという話が(少なくとも以前は)頻繁にありました。
官僚が接待を受けている可能性も払拭できません。
国防など他の分野についてはわからないので自分の知っている範囲だけで状況について分析します。
いま、AI研究が花盛りで、なぜ成功したかについて色々と議論・解説されていますが、その中で最も大きな貢献をしたのはGithubを始めとするソースコードやデータセットの公開・共有の考え方。これが広まる以前は論文を読んでシステムを再実装するという大変な手間と、論文に書いていないパラメータを再現できず論文通りの性能が出ないという苦しみが待っていました。いまはGithubなどのおかげでオフィシャルなソースコードを簡単に入手し、その場で実験を再現できます。この恩恵は計り知れません。トップ国際会議・論文誌ではソースコードを公開しているかどうかが重要な加点・減点要素になることもあります。「流出」とは考え方が違うかもしれませんが、「共有・公開」がいまの大きな潮流であることは間違い無いです。
もちろん、前述した国防や暗号、個人情報などに関するものは安易に公開できないものであることも理解する必要があります。
例えば、として。CVPR18で発表した転移学習のコードはスターが300を超え、fork数も60を超えています。
cross-domain-detection
https://github.com/naoto0804/cross-domain-detection
また、開示が禁止されている契約を交わしている場合もありますが、その場合はどうするのでしょうか。
国内で活用されないなら、海外に流出させた方が良いものもたくさん埋もれていると思います。
何を流出すべきでないとするかの線引きは、今後ますます難しくなると思います。
https://newspicks.com/news/5567590
https://newspicks.com/news/5173783
https://newspicks.com/news/4588784
「「虚偽の報告をすれば、研究費を申請しても認めないなどのペナルティーは当然ある」と述べた。」
つまるところ人の善意に依存したエコシステムしか構築しないから問題になるのであって、シンガポール等の人の善意には1ミリも期待しない国家統治を勉強してほしい。
何が日本の科学研究で大事で、何をとられたくないのか、
そこ、はっきりさせましょうよ