国連、パリ協定「達成ほど遠い」 温室ガス削減で分析
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結局のところ囚人のジレンマ的現象が起きているのかもしれない。
集団で我慢して何かを達成しようとする時、抜け駆けは強いインセンティブをもつ。自分が頑張らなくても他が頑張ってくれるのだから。いわゆるただノリである。そういう事が起きないようにペナルティなどを適切に設定するべきなのだが、国単位の決め事でそこまで拘束力のある事を決定するのは難しいだろう。
注目のコメント
世界中で都市ロックダウンが行われていた時期でさえ、1日当たりのCO2排出量の減少具合は案外に少なく(2020年4月初旬までのデータで2019年の平均値と比べて最大17パーセント減)、パリ協定の「世界全体で今世紀後半のできるだけ早い時期にカーボンニュートラルを達成する」という目標が、このままではいかに難しいかがよくわかりました。できることから少しずつ生活を変えるということも大切ですが、抜本的な技術革新と社会への組み入れが必要な段階にあることは間違いないと思います。
新しい2030年目標については昨年、英国とEUが相当野心的な数字を出してきました。11月のCOP26に向けて米中の動きが焦点になります。
バイデン政権は春の気候サミットまでに2030年目標引き上げを、中国はその前に開催されるカナダ・EUとの閣僚級会合で2030年目標について何らかの動きが出る可能性があります。
カーボンニュートラルの達成目標時期を掲げていないインドも注目です。2060年までのネットゼロを宣言した中国よりも早い時期に設定することへの期待感が高まっています。そんなの、パリ協定ができたときからわかっていたこと。
そもそもパリ協定で2℃目標を掲げたときに「どうやるの、これ・・・」と、知っている人間は思いました。
ましてや、「2℃でも高い!わが国が沈んでしまうではないか!」と寝っ転がる(国際交渉用語で、端的に言うと絶対譲らないの意味)島しょ国への配慮から1.5℃目標まで書き足されたパリ協定。当初は「書き足された」存在だった1.5℃目標がIPCCの特別報告書が出て以降なんとなくデフォルト化。
パリ協定をきっかけに温暖化の世界に関心を持ったような方はさておき、
この世界に長くいて、あと10~20年後もこの世界を研究しているだろうと思っている方の中には、2050年が近づくにつれて目標と現実の乖離がますます広がり、よりヒステリックな雰囲気になっていくのだろうかと恐れている人は多いと思います。
ただ一方で、イノベーションへの期待も高まっています。
2℃を超えたとしても、適応策が進むこともあるでしょう。
「もはや、温暖化への対応は経済成長の制約ではありません。積極的に温暖化対策を行うことが、産業構造や経済社会の変革をもたらし、大きな成長につながるという発想の転換が必要です。」
菅首相の所信表明演説の一文ですが、発想の転換でどうにかなるものではなく、変革というより革命級の変化が必要です。